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YouTube: Chinatown (1974) HD trailer
PART2はこちら。
ホリスを尾行するジェイク。浮気どころかホリスの行動は不可解なものだった。どうやら水の涸れた川を調べている様子。しかしようやく女性関係をつかんだジェイクは、若い女と楽しげに過ごすホリスの撮影に成功する。夫人に渡ったその写真は、なぜか新聞に掲載され、スキャンダルとなる。
いぶかしむジェイクのもとへ、モーレイ夫人がやってくる。彼女は最初に訪れた女性とは似ても似つかない人物だった。
ここで本物のモーレイ夫人であるイブリン(フェイ・ダナウェイ)登場。探偵への軽蔑をあからさまにした彼女の高慢さがいい。
探偵としてのプライド、というよりコケにされたままでは商売に差し障るとジェイクは連絡の取れないホリスをさがす。しかしジェイクが彼に会うことができたのは、放水口で“溺死”した姿でだった。
……いかにもアメリカン・ハードボイルドな展開。偽の依頼人、減らず口ばかりたたく探偵、どこかに巨大な不正がころがっていそうな予感。
近親相姦が背景にあることから、ロス・マクドナルドあたりのタッチに近い。いたずら好きの妖精のように見えるジャック・ニコルソンは、信じられないくらいの魅力にあふれている。
ストーリーはここからかなり複雑になっていって、誰かが無断で水を捨てていたり、巨大な利権が水がらみで動いていることをジェイクは突きとめる。しかしそのためにジェイクはやくざ(ロマン・ポランスキー自身)から鼻翼を切られ、オレンジ畑では農園主たちに射撃され……
「あなたの毎日って、いつもこんなに……大変なの?」
夫の死の真相を調査するためにジェイクを雇ったイブリンはあきれる。
鼻の手当をする彼女の顔を見つめてジェイクはつぶやく。
「きみの瞳のなかに……黒い点がある」
この映画には歴史に残る設定(鼻翼を切られる探偵)、歴史に残る音楽(チャイナタウンのテーマ)、そして歴史に残るセリフが満載。この口説き文句も歴史に残りますね。以下次号。