お世辞にもかっこいいとはいえないもっさりした体型、ユダヤ系であることを自虐的に語るユダヤギャグの数々(「ミュンヘン」のおかげでユダヤ人が人気でちゃったよー、とか)……どこまでが脚本どおりで、どこからがアドリブなのかもさっぱり。それくらい、ゆるいやり取り。なんか、いいのよね。
「グリーン・ホーネット」「40才の童貞男」「スーパーバッド」とつきあってきて、ようやく味がわかってきた。そこでディスカスでこの作品をチョイス。
いやはやこれも笑える。
アメリカでは大ヒット。でも日本では未公開。怒っているわけではなくて、どう考えても日本でこれを商売にもっていくのはしんどい。主演のセス・ローゲンとジェームズ・フランコは最初から最後までマリファナでラリっぱなし。セスのガールフレンドは女子高生だし、妙にリアルな殺戮シーンがありつつ、同時にいくら撃たれても死なないギャグまでちりばめてある。こりゃー日本人には向かないわ。
一応、パイナップル・エクスプレス(原題)というヤクをめぐる犯罪ドラマの体裁はとってあるのに、そんなことはおかまいなし。セスとフランコ、そしておなじみのダニー・マクブライドのほとんどかみ合わないトークに苦笑するしかない。
マリファナ問題は、日本はことのほか厳しく、公立中学校には厚生労働省から「植えていいケシ、植えてはいけないケシの見分け方」なんてパンフレットが届くくらい。事務室で出した結論は「絶対に見分けはつかない」でしたが。
こんな作品が1億ドル以上もかせぐ素地がアメリカにはある、という意味ではお勉強になる一本。よほどお好きな方以外にはおすすめできません。一発きめて観たら、それはそれは笑える映画なのでしょうけども。あっぶねー。