なぜこのような犯罪が、はっきりいえば殺人が行われなければならないか、を考えてはいけない。石持にとってそんなことはどうでもいいことだから(笑)。登場人物たちがいかに論理を組み上げ、破綻のない展開にもっていくかだけが主眼な人ですもの。
今回もかます。友人宅を訪れた殺人犯。彼はお届け物をバッグにしのばせている。その中身は途中で想像がつくが、問題は友人の家族たちが何かを隠していること。なぜ友人は部屋から出てこないのか。なぜ女性たちは自分を帰そうとしないのか……そして最後の最後にまさかのハッピーエンド。無茶だろー、と思いながらもやはり爽快。石持ファンでよかったなあ。
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届け物はまだ手の中に 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2013-02-16 |