07 「予知る」はこちら。
ストーカー被害をおそれる料理研究家の姉のために、妹(釈由美子)が泊まりに来ている。夜半に窓から姉の姿が見える。しかしその時刻、30キロ離れた場所で彼女はめった刺しにされていた。
殺害現場ではストーカー男が発見され、窓から飛び降りて死んでしまう。はたして、妹が見た姉の姿はなんだったのか。
被害者の職業もあって、お料理がサブテーマになっている。研究室で料理にいそしむ湯川に
「先生ひまなんでしょう」と内海。
「摂食行動に忙しいんだ」なるほど。
料理研究家は、監察医の城之内(真矢みき)の友人であり、その死を監察医は深く悲しんでいる。真矢みきが例によってためにためた演技を見せる。「細かすぎて~」でまた柴田由美子にものまねされちゃうぞ。
30キロを瞬時に移動する方法を湯川は考える。心の副音声がじゃじゃもれ。
「どこでもドアというのは、どういう構造なんだろう」前途多難。
被害者には200カ所以上の刺し傷があったが、生体反応があったのはわずかにふたつであると城之内は指摘。つまりほとんどは死後に行われたのだ。しかも致命傷をあたえた傷に見合う凶器は見つからない。単純なストーカー殺人ではないとするなら、真犯人は誰か。
犯人の行動はまことに理にかなっている。人間が“見る”ことのあやふやさを利用するのだ。とっさの判断でそこまで企図するとは天才的ですが。
湯川はそれを見破るが、物理学者としての出番は……と思ったら、ステレオアンプのある特徴を指摘するあたりはするどい。いかにも理系な結論。しかしお料理の方は
「料理は科学だ」
「料理は理屈じゃありません!」
内海は料理が理屈ではないことを実証して見せる。柴咲コウの魅力全開。
09「爆ぜる」につづく。