第十三話「小寺はまだか」はこちら。
前回の視聴率は12.9%と急降下。官兵衛のテンションと視聴率は相反する数字となっております。
さて、実は今回もかなり官兵衛はハイテンションで先が思いやられる。「播磨一の戦上手」と何度もくり返されるけれども、そんな描写ありましたっけ?視聴者向けに悲劇を強調したいものだから、トップの悲哀だけがくっきりと縁取られている……
筋立ては血なまぐさい。織田軍の強さを認識した宇喜多直家(陣内孝則)のサジェストによって、毛利についた官兵衛の義兄は部下によって文字どおり首を斬られる。しかも織田信長はそんな部下は信頼できないからと皆殺し。
登場したのは尼子一族を再興したい山中鹿之介。日本史に暗いものだから、名前は知っていても何をした人なのかさっぱり。
「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」
はこの人のセリフだったのか。確かにこれからこのマゾい人には七難八苦が訪れるであろう。演じているのは別所哲也。朝のFMのパーソナリティとしていい感じなのだけれど、あのもみあげはどうもなあ。しかも、これだけの名言を臆面もなく紹介するというのは、わたしみたいな視聴者にはありがたいにしろ、「火宅の人」で中原中也(真田広之)が登場していきなり
「汚れちまった哀しみは」
と語るのに似てちょっと恥ずかし。
毛利元就への悪口雑言がバリバリ出てくるんですけど、あの大河ドラマを観ていた人たちはどう思ったのかな。いっしょに観ていた妻は酒井若菜と中谷美紀を見て
「このメイクは(T_T)」
と絶句。あまりにも現代風ではないかと。まあ、それ言っちゃったら大河ドラマ原理主義にすぎるというものでしょうが。
しかしドラマとしてやはりちょっとしんどい。軍師として有能であるはずの官兵衛が、今回ある程度の才を見せるのは、敵方と縁戚であるからこそ先陣を切らなければならないと秀吉と竹中半兵衛の前で主張する場面のみ。相変わらずの絶叫芝居がつづくのだ。うーん。
ということで今回の視聴率はさらに下降して12%台前半と読みました。あ、わたしが哀しいのは、このドラマで最も光り輝いていた高岡早紀にも死亡フラグが立ったことです!まさかこの人が年齢を重ねてからうまくなるとは。残る楽しみは未だに秘密にされている徳川家康のキャスティングだけですか……
第十五話「播磨分断」につづく。