彼と彼女のソネット - 原田知世 (1987年) / T'en Va Pas - Tomoyo Harada (Japanese ver.)
2015年5月号「高校生イチロー」はこちら。
今さら百田尚樹氏を批判しようとは思わない。自民党の学習会における噴飯ものの発言の数々は、以降の冗談か本気かと揺れ動いた件もふくめて、要するに調子こいているだけの人なのだから仕方がない。
わたしが驚いたのは、しかしこの学習会に参加した若き議員たちの発言の方だった。特に
「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、広告の提供(スポンサー)にならないということが一番(マスコミは)こたえる」
福岡1区の井上貴博衆院議員(当選2回)の発言。この人、もうやっていたのだ。そういう体質の人なのだろう。そして、こんなレベルの人間がいま政治を動かしているということだ。
学習会に関しては、さすがに保守系マスコミも(腰がひけてはいるが)批判を強めている。自分たちの商売の根幹にかかわる部分だから当然ともいえる。
恣意的な政治によって報道がゆがめられるとすれば(まあ、今でもたいがいゆがんではいますが)、マスコミへの信頼が失墜すると同時に、政治に対する信頼はそれ以上に墜ちるのだとこの人たちは……気づくわけないか。
「私が批判しているのは憲法学者ではなくて、憲法学者の言うことを無批判にうのみにする政治家だ」
高村副総裁の発言。“身内”だと思っていた憲法学者にまで安保法制が違憲だとコメントされ、自民党の重鎮たちはあわてふためいている。
憲法改正推進本部長(になってたんだね)である船田元の責任は免れないところだろうが、わたしは船田を見ているとつくづくと悲しくなる。政界エリートの家系を誇り、戦後最年少での入閣を果たすも、畑恵との不倫騒動がケチのつき始め。本来は右翼嫌いであろうに、昔は批判していた安倍晋三にひたすらすり寄ることでしか生き残れず、そして今回のような始末。無残だなあ。
にしても、安保法制が違憲なのは右翼の方々だってわかってはいるんでしょ。わたしが問いたいのは、高村、谷垣、山口公明党代表などの、法律家にして政治家である人間たちは、心のなかで自分の発言が後世に残ることをどう思っているのかだ。しかし、突っ走るしかない。罪つくりな内閣ではある。
本日の一曲は原田知世「彼と彼女のソネット」大貫妙子バージョンもいいですけどね。
芸能篇「コメントの女王」につづく。