事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

青天を衝け 第22回 「篤太夫、パリへ」

2021-07-11 | 大河ドラマ

第21回「篤太夫、遠き道へ」はこちら

前半の山場であるパリ万国博覧会のお話。

まずはそこへ向かうまでが大変。55日間の船旅。栄一は船酔いに苦しめられる。あのー、わたしごときがこんなことを言ってはいけないのは承知していますが、飛島という離島の学校と兼務したときの経験を思い出してクラッときました。

たった75分ですよ。酒田から飛島まで。長かったー。連絡船の時計の分針がぴくりとも動かないの。それが延々と続くわけだ。ひー。

そして巴里。まだエッフェル塔(めちゃめちゃに嫌われたらしい)がなかった時代。金かかってんぞーという映像が続く。

そこへ極東からちょんまげを結って人殺しの道具を常に携帯している“蛮族”がやってくる。世界で最も洗練された都市であるという意識があるパリ市民はそれでも彼らを歓迎する。

よくわかります。東京の人たちがそうでしたもんね。学生の頃、田舎者を内心ではバカにしていたかもしれないけれど、それを表面化することは(あまり)なかった。山形から出て行き、これが新宿かこれが渋谷かとうろついていた山形県人を、少なくともそのころの東京人はバカにしてなかったですし(気がつかなかっただけ)。

栄一は気づく。スエズ運河が民間によって実現するということの驚異。日本の資本主義の父のお話ですからね。お上の意向によってすべてが決まる農本主義の世にいた彼にすれば、およそありえない話だったはず。

同時にもうひとつ、政商という存在にも思い至る。五代才助(ディーン・フジオカ)が万博にいろいろと薩摩としてかましていたと。やるなー薩摩。

問題は例の後継ぎ問題で、平九郎(岡田健史)はめでたく渋沢家に迎え入れられる。ちょっと待って。みんな祝祭モードだけど、ていちゃん(藤野涼子)それだと大好きな彼と夫婦になれないんじゃ。いやそれどころかとんでもないことにこれからなるらしい。うーん。

第23回「篤太夫と最後の将軍」につづく

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梶芽衣子 その5

2021-07-11 | 芸能ネタ

その4はこちら

さあ、梶芽衣子がこの手記に「真実」と名付けた最大の要因は以下のとおり。

「鬼龍院花子の生涯」

あの映画が封切られたのは三十六年も前ですし、この一件について今さら触れることになるとは思いもしませんでした。ただ近年になって日下部さんが「シネマの極道 映画プロデューサー一代」という本を新潮社から刊行されたことで間違った情報がまるで事実であるかのように世間で広がっているのを知ってしまったため、それを野放しにはできないと思ったのです。

あの本によると、私が「日下部さん、これを読んでくれない?」と言って小説を渡したことになっていますが、すでにお伝えしたようにその頃の私は日下部さんと直に話をしたことすらありません。もし、あったとしても企画を提案するのにそんなふうに馴れ馴れしい態度を取るような人間ではありません。事実無根も甚だしい話なのです。

……日下部五朗プロデューサーの「シネマの極道」は前に紹介しましたよね。双方の主張はまったく食い違っている。

東映京都に企画を彼女が持ちこんだことは確かだが、音沙汰がないために自分で増村保造監督、若山富三郎主演で企画を進めていたところ、いきなり仲代達矢、夏目雅子主演、五社英雄監督で映画化すると東映がアナウンス。

結果として大ヒットとなったが、梶芽衣子の気持ちはおさまらず……その怨み節の一部がこの書に込められていると考えて不自然ではないと思う。日下部プロデューサーは去年亡くなっているが、彼は梶芽衣子を避け続けていたという。映画界、怖いところです

二代目中村吉右衛門が療養中のため、鬼平犯科帳が復活するかは微妙なところかもしれない。しかし江戸っ子で、日本語の美しさや和服を着ての所作にこだわる梶芽衣子は、逆にクエンティン・タランティーノが大ファンで「キル・ビル」に彼女の歌を流すなど芸能人として確固たる地歩を築いている。

芸風からしても、これからも活躍してくれそうな気配は十分。期待しています。

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