長いことこのシリーズをやっていると、昔のネタを引っ張り出して2時間で事務だより完成。ありがたいありがたい。
2021年12月号PART2「10万円」はこちら。
実はこの学校に来てからも源泉徴収票については何度も特集していますが、初任者研修ということであらためてやります。
同封したA5判の紙がその源泉徴収票。初任者は初めて見ると思います。
いや、給与の支払者はアルバイトにだって源泉徴収票を発行するのが義務なので、見たことあるのかな。もっとも、わたしも学生時代はいくつかアルバイトをしましたが、そのあたりをまともにやってたのはマクドナルドぐらい。妻が税務署で短期に働いたとき、税務署でさえ出さなかったのです。おい。
さて、この書類は、給与所得者としてのあなたのすべてをあらわすものです。去年いくら稼ぎ、いくら社会保険料を支払い、税金をいくら納めたかなど。だから金融機関からお金を借りる際には必ず提示を求められます。とりっぱぐれがないくらい稼いでいるんだろうなと。
それではさっそく中身を見てみましょう。左の上の方に
【支払金額】
という欄があります。この数字が、いちばん下の欄の【支払者】から受け取った総収入。自営業者でいえば売り上げ、水揚げにあたるでしょうか。ちょっと微妙な差異はありますが(通勤手当の課税対象額の関係)、山形県知事の吉村美栄子さんからあなたが受け取った給与の総額がここの数字です。
【給与所得控除後の金額】
売り上げにそのまま課税されるわけではありません。自営業者なら必要経費(あこがれの交際費とか)を計上して申告します。給与所得者だって必要経費はある。でも、たとえば毎月スーツを買ったり新幹線通勤をしている人ならともかく、なかなかそこまできっちり必要経費を積み上げて申告する人はいない。
なぜなら、この給与所得控除というのはけっこう甘めに設定されているので、誰も領収書をかき集めたりはしないのです。ということでこの金額が給与所得者としての利益にあたります。
【所得控除の額の合計額】
さて、利益が算定されたところで、今度は個々人の“都合”を考えます。扶養親族の数や社会保険料、そして年末調整のときに記入してもらった生命保険や地震保険の掛金などをもとに、この部分は利益ではないと見立てて(控除して)もらうわけ。
【源泉徴収税額】
そして利益から都合を差し引き、結果として一年間に支払った税金がこれです。源泉徴収プラス年末調整という日本独特のシステムのせいで、日本人は税金をなかなか意識していない。じっくり、ながめてください。
これだけの情報がつまった源泉徴収票、令和4年分が発行するまでの一年間はなくさないでください。もっとも、職場のなかで誰かひとりは確実になくすというのが学校事務職員あるあるネタのひとつ。
画像は「追悼水島新司」
ドカベンフリークであるわたしにとって、明訓のベストマッチは高校2年春の甲子園準決勝、対信濃川高校戦。明訓の監督を土井垣にゆずり、“山田太郎を倒すために”クリーンハイスクール~信濃川と移籍した徳川監督(おそらく水島新司本人の投影)と山田太郎の頭脳戦。
「今は見送ったが今度は必ずスクイズをやってくる。本町(ほんちょう=信濃川の5番打者)の右打席の打率は2割2分。徳川さんがこんな低打率にヒットを期待するものか」
そしてそのスクイズを外すために山田は里中にサインを“ある方法”で送り、観客席で観ていた犬飼兄は「ん?山田らしくない」と訝る……。確かに野球を知っている人間にしか描けない深みとコクがあった。合掌。
2022年2月号「昇給のお話」につづく。
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