「池袋ウエストゲートパークの行方」はこちら。
新作も、つくづくうまいものだと思う。非正規雇用、シングルマザー、無保険、派遣などの時事ネタをとりこみ、池袋のトラブルシューター、マコトを通して世直しを訴える……このシリーズに石田はそんな公式をあてはめている。展開ははっきりと時代劇か西部劇だ。
売れ行きもウエストゲートパークと他では全然違うらしいので、若者を革命に煽り、旧世代に反省を求めるのは石田にとって池袋の地が最適だということだろう。まあ、大金持ちのジュニアたちにその改革をまかせるあたりが限界といえば限界。
でもこの寸止めがあるからこそ、石田は安心してテレビのコメンテーターに起用されるわけだ。格差社会の学習テキストを、保守本流である文藝春秋から刊行するにも、こんなテクニックと、売れ続けることが必要なんだな。みんな、買えよ。
前のように“熱い”悪人は出てこない。時代のせいで悪も疲弊している
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