第40話「フェアな殺人者」はこちら。
テレビ局――颯爽と廊下を歩くのは、人気脚本家の加賀美京子こと大野かえで (松嶋菜々子)。その日、かえでが手がけた連続ドラマ「鬼警部ブルガリ三四郎」の最終回が完成し、試写が行われた。打ち上げ会場で、大勢の関係者の中、スピーチするかえで。派手目なメイク、女優を思わせるような衣装。社交的な彼女はいつも華やかなスポットライトを浴びていた。
同じころ、とあるマンションの一室では、もみじ (松嶋・2役) が、パソコンに向かって原稿を書いていた。化粧もせず、地味な装いの彼女は、かえでの双子の姉であり、もうひとりの加賀美京子だった……フジテレビ公式サイトより
スピンオフ「古畑中学生」をのぞけば、今のところ最終回。有名なノックス「探偵小説十戒」に「ミステリには中国人と双子は出してはいけない」とあるけれど、三谷幸喜は真正面から瓜二つの姉妹の殺人劇を構築している。
最終回だけに、「偽善の報酬」につづいて自らのフランチャイズであるテレビ業界をとりあげ、タレントの都合でいかに脚本家が苦労するかまでばらしている。主人公の出番を減らすために、少女時代のお話をもってきて時間をかせぐ……ってこれは「古畑中学生」のことじゃないですか(笑)。
今泉:加賀美京子って……「白い巨塔」?
西園寺:いえ、それは井上由美子さんです。
などと楽屋オチもかましつつ、今回も検証のために今泉は全力疾走させられる。
今泉:なんか、ボクばっかり大変な気がする。
やっと気づいたか。さて、マンションの出入り口に設置された静脈読み取りシステムなど、現代ミステリらしさを見せながら、しかし今回もキーとなるのは三谷お得意の“なりすましは成功するか”だ。派手な妹を殺し、彼女の人生をトレースしようとする地味な姉。「犬神家の一族」の青沼静馬と佐清の関係性を彷彿とさせる。
地味だった姉が、いつもどんな思いでいたかを仕事場の“鏡”で象徴させるなど(加賀美という苗字は伏線だったわけだ)、動機の説明がうまい。太陽と月のような姉妹。太陽を殺してしまったために、月もその輝きを失ってしまった結末は苦い。
第42話「古畑中学生」につづく。
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