第二十六話「長政初陣」はこちら。
前回の視聴率は14.9%と予想よりも下回った。ここに来て日テレ鉄壁日曜バラエティ軍団が調子を取り戻しているからかな。なんせ日テレは二十数週間全日視聴率トップを続けているらしい。あおりをくらったのがTBS「からくりTV」だろうか。栄枯盛衰。
さて水攻め(これ、水責めだと違った業界の話に)。金は使う時に使わないと意味がないという、商人出身の合理的発想が官兵衛にあり、それを許す度量がそれどころではない出自の秀吉にあったという描き方。
軍師の意表をついた策によって勝利するという、ようやく期待したような展開に。なんか、中国の軍記っぽくていい。同時に官兵衛は、毛利の首領の首を差し出さねば信長は承知しないだろうという部分をくつがえす根回しに。
こういうのを待ってました。まあ、毎週こんなだと「国盗り物語」のときのように、調略ばっかりじゃないかと視聴者に批判されるかな(実は調略ではなくて、女性のやりとりばかりあのドラマの前半はやってました)。
さて、その「国盗り物語」以来41年ぶりに大河ドラマに徳川家康役で登場したのが寺尾聰。いやー顔をこれ以上ないくらいに歪めてくせ者タヌキを演じています。だんだんお父さんとは違う顔になってきたなあ。
わたし、宇野重吉では数多くの良心的な役よりも「金環蝕」の変なオヤジが好きでした。大河ドラマでは「花神」の緒方洪庵が鉄板で、だから他の人が演じていると不自然にすら感じる。「JIN」の武田鉄矢とかね。
にしてもどうして大河ドラマと寺尾聰って縁遠い感じがするのかなあ……………………あ、そりゃそうだ。裏番組の「西部警察」でバリバリだったですもんね(笑)
その家康の接待を担当する光秀に、信長はパワハラ三昧。粋人である光秀へのコンプレックスもあっただろうか。信長の部屋はキッチュきわまりない状態になってますし。「天皇をぶっ倒しておれが王になる!」(って言ったかどうかはわかんないけど)は、さすがにマイクをオンにはできないですか。
虚ろな眼をした小朝は今回も好調。決起を前におみくじを何度ひいても「凶」なのであせるあたりはさすが噺家。
人から命じられたことはきっちりやる石田三成。
もはや誇大妄想狂と化した信長。
最後のとどめは主君にまかせるというサラリーマン哲学を開陳する秀吉。
そんな哲学ががまんできない光秀。
何を考えているのか性根のところがわからない官兵衛。
役者はそろった。来週は本能寺。今回の視聴率は……うーん、17%クリアと読みました。面白かったっすよ。
第二十八話「本能寺の変」につづく。
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