監督は和島香太郎さん。酒田市出身です。チョー色男。まあ、あの北の富士の甥っ子だからなあ。港座でも彼の「第三の肌」を上映したときにトークイベントを用意したら、同級生やら恩師やらがやってきて、お花も提供してくれてうれしかった。
あのときの会話を再掲すると
「エンドロールの最後に監督の名前が出るじゃない?」
「はい。」
「あれを、文字通りスルーする人と、バーンってとめるタイプがいるじゃないですか。『オレの映画だぞ』って。和島さんはどっちのタイプなの?」
「あれはですねー、ぼくはスルーの方が好みなんですけど、実はロールの長さと音楽の長さのからみがあってですね(笑)、だから『第三の肌』はとめてます」
なんでも勉強です。
さて「梅切らぬバカ」。これまでで最もメジャーなつくりになっている。なにしろキャストが豪華なのだ。加賀まりこ、森口瑤子、高島礼子(この3人を選ぶセンスに賛成)、塚地武雅、渡辺いっけい、林家正蔵など。
自閉症の息子(塚地武雅)をもつ老齢の女性(加賀まりこ)とその周辺の物語。息子の将来を案じ、自分の老いを意識した生活。庭には道に飛び出した梅の木があるが、どうやら亡き夫を象徴しているようだ。グループホームに移った息子は、しかし同居する人間たちや地域との齟齬のために……
ラストに至っても、彼らにハッピーエンドが訪れるわけではない。しかし、観客に大きな幸福感を与えてくれることは確かだ。それは和島さんの丁寧な演出もあるだろうが、加賀まりこの圧倒的な存在感にもよるだろう。
とにかくすごいの。「月曜日のユカ」「泥の河」「麻雀放浪記」に匹敵する彼女の代表作になるだろう。思えば超大作「八甲田山」において高倉健の奥さんを軽く演じて見せるなど、この人はとてつもなくうまい女優だったのだ。必見!
それぞれ、らしくていい存在感でした。
解決は無いけどそれぞれの生活と幸せが見えましたね。
いっけいさんはもっと映画や時代劇、大河で大きい役あげてほしいです。すごい人なのに。もっと見たい。
「精霊の守人」では最高にかっこよかったです。
すごい。
しかも加賀まりこには障がいを持った
お子さんがいるらしく、わたしは震えた。