5thギグはこちら。
変なバンド名シリーズは、少なくとも送る側であるわたしにとっては(笑)至極気持ちがいい。
なんでかなーと考えたら、あこがれの職業がDJだった人間にとって、ロックバンドを語ることはそのあこがれに一歩近づいたような錯覚ができるからだと気づいた。もっとやりたいので“わたしの気づいた変なバンド名”どんどん送ってください。
で、TOTOですけど、これには三人から同様の回答がありました。トイレでいつもおなじみの名前じゃないかというわけ。わたしもこの事情はよくおぼえている。
伝説のひとつとして、この強力なスタジオ・ミュージシャン出身の連中が日本にやってきたとき、トイレにはつねにTOTOの文字が入っており、これを自分たちのバンドの名前にシャレで採用……というのがあった。でもこれは順番が逆で、たしか妖精の名だかのトトをバンド名にしたのだけど、アメリカよりも先に日本で爆発的に売れ(アメリカで大ブレイクしたのは4枚目のアルバムからだったと思う)、おかげで何度も日本に来たけれど、そのたんびにトイレのあのマークにメンバー大爆笑……こんな具合だったと思う。
日本のギターキッズのあこがれ、スティーブ・ルカサーやポーカロ兄弟が東陶の朝顔に向かって連れションしている図は一度見てみたかった。すっかり太ったルカサーのインタビューを読むと「また日本に行くよ。なんせすべてのトイレにわれわれの名前が入っている国なんだから(笑)」と語っているのはうれしい。日本のどこかには絶対に『inax』というコピーバンドが存在すると思うんだけど。
われわれの世代の多くは、トーキングヘッズの「リメイン・イン・ライト」を買っている。ファンクの教科書のようなすごいアルバムだから。加えてわたしは「フィア・オブ・ミュージック」とトム・トム・クラブまで持っているほど。で、正解は「おしゃべり頭」じゃなくてテレビにおけるバストショットのことを隠語でトーキングヘッズと言うのだった。これはまあ、おしゃれざんす。さすが美術畑出身。
そしてヒューマン・リーグが出たのはうれしい。「えーとあの、ほら、ウエイトレスの歌」として有名な『愛の残り火』(なさけない邦題)でしか残っていないバンドだが、わたしは思い入れがある。「ヒューマン」という曲のためだ。ヒューマン・リーグのヒューマン。何考えてんだ。なんてことない曲なんですよ。♪ぼくは人間だぁ~♪なんて詩であるうえに、途中にセリフが入る歌謡曲もびっくりのB級ぶり。でも、車のなかでこれが流れてくると自動的に涙が噴き出すという自分でもよくわからん状態に。“ツボ”にはまったってことなんだろうなあ。他にもジャクソンズの「ハートブレイクホテル」やイーグルスの「ラストリゾート」あたりがツボもの。三曲続けて流れた日にゃあ……。
さて、唯一イエローマジックオーケストラについては事情が違う。この連中だけは、バンド名の珍妙さに意識的だろうと思うからだ。日本語に訳した場合にどんな受け取られ方をするかまで、絶対に考えている。大方の場合、英語にした方がかっこいいというのが変なバンド名が生まれる所以だが、80年代初頭、たとえば『メルティング・ポイント』というより『融点』と言った方がかっこいいというムードまでこのバンドが醸成していたことを思い出す。
それが細野晴臣、髙橋幸宏、坂本龍一のどいつの発想かはわからないんだが(おそらく細野)。ちなみに、ウチの学校には函館出身の非常勤講師がいて、幸宏と同棲していた中原理恵は中学の先輩だったそうだ。
7thギグに続く。
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