PART5はこちら。
ひとりでひとりの大人を監禁するのはとてもむずかしい。しかたなくコンドルはキャシーをしばり、サムの家に向かう。どうやらサムの妻はむかしコンドルの彼女だった様子。
妻はサムの死を知らず、無言電話が何度もかかってきたとコンドルに告げる(彼女が在室しているかの確認か)。ここも危ないと察したコンドルは、サムの妻を逃がす。
そこへ、マックス・フォン・シドー再登場。フリーランスの殺し屋、ジョベア。彼はもちろんコンドルの顔を知っているが、コンドルのほうは彼を知らない。しかし剣呑な雰囲気で危険を察知したコンドルは、お得意の機転で危地を脱する。ジョベアのほうもプロなので、車のナンバープレートを読み取り、キャシーの存在を知る。
このあたりのやり取りはなかなか。エレベーター内でふたりが相対するシーンはけっこうでした。
キャシーのアパートにもどるコンドル。もちろん彼女は怒っている。
「どうして、しばったの?」
ほんの少しだけ、コンドルに同情的だったのにというわけだ。彼女の部屋には写真がたくさん飾ってある。しかし、どこか寒々しい風景。
「11月の写真だね。真冬でもない、初秋でもない。これは11月だ」
「わかるの?」
キャシーは写真家。発表したくない(だから自分の心を正直に投影している)写真だけが部屋にある。彼女はボーイフレンドとスキーに向かう途中だったのだが、彼からの電話はどこか冷たい。
前ふりが周到ですね。自分を拉致監禁した男とベッドをともにするという展開なので、ここは脚本家の腕の見せどころ。もちろん、美男美女でなければ絶対に観客を納得させられないパターンです。
「あなたは、長く生きていられない気がする」
「きみが好きなのは、消えゆく孤独な男だ」
美男美女でなければできないやりとり!以下次号。
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