第18話「偽善の報酬」はこちら。
今回はつっこみどころ満載。なにしろ犯人は(というか殺人ではなくて傷害致死なんだけど)クイズ番組で勝ち抜き続ける男、被害者は衣装係、現場はテレビ局というこれ以上ないくらいの内輪ネタなのである。
唐沢寿明が妙に業界ズレしているクイズ王を。うまいよね、この人。
テレビ局は見た目のいい千堂謙吉(唐沢)に、その週の問題傾向のヒントになる数字をもらし続けていた(このあたりはロバート・レッドフォードが監督し、レイフ・ファインズが主演した「クイズ・ショウ」の設定。すばらしい映画なのでぜひ)。
しかし方針が変わったことにあせった千堂は、衣装係(伊集院光)に情報を求めるが……
ギャグを盛大にふりまいてあるので忘れられそうだが、今回は堂々たる密室殺人。むかし観たときもビデオでチェックしてそのトリックに大笑い。DVDはチャプターサーチができるのでもっと便利である。
小説なら「それはないだろ?」なトリックだけれど、唐沢本人が……あわわわ、ネタバレになっちゃう。
欠点もある。いくらなんでも衣装部屋にクサヤがあるのは(強引な理屈はついているけどね)不自然だし、“ある人たち”にキチンと事情聴取をしていれば成立しないトリックだ。例によってそんな欠点はセリフでカバーしている。
古畑:徳川十五代将軍ぜんぶ言えます?
千堂:家康、秀忠、家光……
古畑:真田十勇士は?
千堂:常識。
古畑:赤穂四十七士は?
千堂:もちろん。
今泉:じゃあ、101匹わんちゃんも?
千堂:あれ全部名前ついてるの?!
犯人は“赤穂浪士の名前を全部知っている人間”であることがあとで判明する。うまい。クイズの挑戦者の名が「堀部靖子」であるあたりも、忠臣蔵づくし。
第20話「動機の鑑定」につづく。
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