もうとまらない。二週続けて鶴岡まちなかキネマに行ってしまいました。これだけは見逃せないと心に決めていた「犬王」。
どんなファクターで決心したかは判然としない。だってわたしはこのアニメの監督も脚本も、どんな映画かもまったく知らなかったのだ。なんとなく、面白そうという雰囲気だけ。
当たりでした。
南北朝の時代。異形な姿で生まれた赤ん坊。誰もが彼を疎んじるが、彼=犬王には能楽(当時は猿楽と呼ばれていた)の才があった。
一方、壇ノ浦で生まれ育った漁師の息子、友魚(ともな)は足利義満の部下に壇ノ浦の合戦で失われた三種の神器のひとつ、草薙の剣を引き上げる依頼を受ける。しかし引き上げて鞘から剣を抜いた瞬間、父親は死に、自らは盲目となってしまう。彼はその後、琵琶法師として生きることになる……
このふたりが京で出会い、都の民を(まるでロックミュージシャンのように)熱狂させて行く。しかし。
画面からほとばしる色彩とエネルギーがすばらしい。そして、障がいをもつ二人の少年の人生がシンクロし、意外な展開を見せるストーリーと脚本も。
これ、誰がつくったのかなあ。エンドロールを見てびっくり。
原作は「サウンドトラック」「ベルカ、吠えないのか」の古川日出男であり
脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」「アンナチュラル」などの野木亜紀子で、彼女にとって初のアニメーション作品。
音楽は大友良英。「土を喰らう十二カ月」につづいて二週連続(笑)。
そして監督は「マインド・ゲーム」の湯浅政明。「最も評価されていない天才」という世評は、この作品でくつがえったのではないだろうか。
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