事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「犬王」INU-OH」(2022 アニプレックス=アスミック・エース)

2023-04-18 | アニメ・コミック・ゲーム

もうとまらない。二週続けて鶴岡まちなかキネマに行ってしまいました。これだけは見逃せないと心に決めていた「犬王」。

どんなファクターで決心したかは判然としない。だってわたしはこのアニメの監督も脚本も、どんな映画かもまったく知らなかったのだ。なんとなく、面白そうという雰囲気だけ。

当たりでした。

南北朝の時代。異形な姿で生まれた赤ん坊。誰もが彼を疎んじるが、彼=犬王には能楽(当時は猿楽と呼ばれていた)の才があった。

一方、壇ノ浦で生まれ育った漁師の息子、友魚(ともな)は足利義満の部下に壇ノ浦の合戦で失われた三種の神器のひとつ、草薙の剣を引き上げる依頼を受ける。しかし引き上げて鞘から剣を抜いた瞬間、父親は死に、自らは盲目となってしまう。彼はその後、琵琶法師として生きることになる……

このふたりが京で出会い、都の民を(まるでロックミュージシャンのように)熱狂させて行く。しかし。

画面からほとばしる色彩とエネルギーがすばらしい。そして、障がいをもつ二人の少年の人生がシンクロし、意外な展開を見せるストーリーと脚本も。

これ、誰がつくったのかなあ。エンドロールを見てびっくり。

原作は「サウンドトラック」「ベルカ、吠えないのか」の古川日出男であり

脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」「アンナチュラル」などの野木亜紀子で、彼女にとって初のアニメーション作品。

音楽は大友良英。「土を喰らう十二カ月」につづいて二週連続(笑)。

そして監督は「マインド・ゲーム」の湯浅政明。「最も評価されていない天才」という世評は、この作品でくつがえったのではないだろうか。


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