事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「土を喰らう十二ヵ月」(2022 日活)

2023-04-17 | 邦画

鶴岡まちなかキネマの復活がうれしい。ここで最後に観たのは2020年1月の「パラサイト」だから、まる三年も来ていなかったのだ。

さあ開館したのはいいとして、どんな作品を上映してくれるのだろう……おお、沢田研二がキネ旬主演男優賞をとったこの映画がっ!

久しぶりの鶴岡は、やはり少しずつ姿を変えていて(パン屋の地パンgoodが移転後に閉店しているのは哀しかった)、三年の長さを思う。

まちなかキネマは、これまでロビーだったところは閉め切られ(社会福祉協議会のエリアなのだろう)、売店もない。もぎりも奥の方へ移転。でもいいんだ、上映さえしてくれれば。

読者から送られてきた招待券を妻に使わせ、わたしはプレミアム会員券。おかげで夫婦ふたりで千円。どうもすみません。

この映画は、水上勉のエッセイをもとにしていて、田舎でひとり暮らしをする作家の、ひたすらに料理にいそしむ姿を描いている。作物は自分の畑から収穫する。

主人公はもちろん沢田研二。編集者の恋人がいて、松たか子。たいそうな年齢差だが、なにしろジュリーなので説得力が違う。「太陽を盗んだ男」「魔界転生」「ときめきに死す」の人なんだから。

ほとんど何も起こらない(わけではないが)ので、退屈に感じる人もいただろう。わたしたち夫婦のすぐうしろにいたおっさんは爆睡していましたし(笑)。

しかしジュリーの所作やセリフ回しには独特の味があって、それだけでも観た甲斐があった。「あいよっ!」と主人公の指示に従う松たか子や、「偉い人にこんなもん食べさせられんが」などのセリフが笑わせる奈良岡朋子(遺作になったわけだ)など、役者がみんないい。妻も満足。

「でもよく考えたら、あの主人公の生活って、うちとほとんどいっしょね」

そ、そうかなあ。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どうする家康 第14回「金ヶ... | トップ | 「犬王」INU-OH」(2022 ア... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
まちキネご無沙汰なんですね (ぱたた)
2023-04-18 11:42:38
私は中江裕司監督舞台挨拶付き上映で
3/26に鑑賞しました。食のこだわりと
淡々と進む展開がまた心地よかったです。
監督もトークがうまく、庄内の食文化にも
興味津々のようでした。後程のサイン会では
社協のスペースを開放していましたね。
(前日3/25はオープニングセレモニーだけ伺い
『THE LEGEND & BUTTERFLY』大友啓史
監督を間近に遭遇です!)
horiさん、またまちキネにいらして下さい!
次回こちらは家族で『RRR』観るかもです。
返信する
もちろんですとも! (hori)
2023-04-18 19:16:39
先週も「犬王」でお邪魔しました。
わたしだって「RRR」は確実に見ます。
おちびちゃん(じゃなくなったろうけど)
は喜ぶだろうなあ。
返信する

コメントを投稿

邦画」カテゴリの最新記事