事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「監獄のお姫さま」(2017 TBS)

2022-05-16 | テレビ番組

同じ磯山晶企画&宮藤官九郎脚本の「俺の家の話」のあまりの展開に、やっぱりクドカンはすごい、と再認識。勢いでこのドラマのDVDも借りまくり。

さて、大ファンの宮藤官九郎作品なのになぜオンエア時に見ていなかったかというと……はて、どうしてだったろう。 

見始めて思い出した。これ、女囚ものなんだよね。だから登場人物のほとんどが犯罪者。それはかまわないにしても、展開として暗そうじゃない?

まあ、それは老人介護をあつかった「俺の家の話」も、校舎を燃やしてしまった(と思い込んでいる)教師が主人公の「ごめんね青春!」も、ゆとり世代のあせりを描いた「ゆとりですがなにか」も同様のことだった。

基本的にクドカンの作品は暗いので(その究極が敗者の物語だった「いだてん」だ)、よほどコメディタッチでパッケージングされていないときついのである。

あれま、よほどのコメディタッチでパッケージングされてました。

小泉今日子坂井真紀森下愛子菅野美穂が女囚。そこへ社長令嬢である夏帆が殺人教唆の罪で入所してくる。きびしい看守は満島ひかり

悪役の伊勢谷友介がいい。出所したおばさんたちに拉致され、突き出されたカンペを読まされるが「わたしは誘拐犯に誘拐され」を

「わたしはおばさんたちに誘拐され」

と読む。激高するおばさんたち。

「なんで誘拐犯をおばさんって読むのよ。あんた運命をさだめ、って読むタイプ?」

「だって誘拐犯に誘拐され、じゃかぶってるだろ!」

あははは。笑ったなあ。

クドカンの特徴である時制のコントロールと、猛然とした伏線の刈り込みが遺憾なく発揮された傑作。女性刑務所のルールもきっちり描かれて役に立った。いや別に入るつもりはないんですけどね。だいたいわたし男だし。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鎌倉殿の13人 第19回「果た... | トップ | 勝手に人生相談Vol.60 本当... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あれ以上のギャグというと…… (hori)
2024-05-07 22:00:36
なんの番組だったかなあ。
内村光良が
「いびき」
という漢字を書くという設定で黒板に
「ZZZ」
と書いて、「どうだ!」という顔を見せた
時に、ああウッチャンは天才だと思いました。
返信する
Unknown (みこ)
2024-05-07 14:48:41
「不適切にも程がある」からクドカン熱が再燃してる私ですが、連休にエッセイ2冊読みましてそのうちの一冊「ん?」で「監獄のお姫さま」のセリフについていくつも言及があり、
ストーリー忘れてたけどとても面白かったです。
大人の新感線やグループ魂の活動などの話も声出して笑ってしまいました。
他のエッセイも読むの楽しみです^ ^
返信する

コメントを投稿

テレビ番組」カテゴリの最新記事