出版社に勤務する体育会系の娘。彼女は困ったことがあると中野の実家にいる父親に相談に向かう……
これ、北村薫が考える“理想の娘”像だろう。快活で、結婚のケの字もまだ無し。父親をひたすら頼りにし、父親もその期待に常に応える。
お父さんは定年間近い高校教師。ちょっと気が遠くなるほど博覧強記で、トラブルを一刀両断。いくら北村が高校教師出身とはいえ、こんなに知識豊かで人情に通じているんですか高校教師って(笑)
人生の師である存在が、若き主人公を社会の邪悪さから守るという骨格は、もちろん落語家の円紫と「わたし」のシリーズの変奏曲だ。
あちらがずいぶんとシリアスな方向に進んでしまったので。あのシリーズのリブートと言えるかもしれない。
そしてもちろん続編につづく。
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