このシリーズを手に取ったのはどうしてだろう。どうやら、わたし向きではないかという雰囲気がありありだった気が。ミステリ好きではあるけれど、そのなかでもウィットに富んだタイプがわたしは大好き。
とにかく仕込まれたユーモアが半端ない。どころか、犯人当てミステリとしてもみごとなものだ。わたし、違う人物が犯人だと確信していましたもの。なめてて悪かった。
登場人物たちは引退者用施設の入居者。つまりはおじいちゃんおばあちゃんである。元労働運動家、看護師、精神科医とその妻(彼女の経歴はしばらく明かされない)が、木曜日に集まって未解決事件について話し合う……設定からしてゾクゾクする。
そして彼らだけでなく、老いというものがどんな意味を持つのかを常に問いかける小説でもある。ああどうかもっとこのシリーズは続いてほしい。少なくともわたしが老いて死ぬまでは。
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