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2003年10月24日付「情宣さかた」裏版より。
一週間ほどたって、結果的に類焼をくいとめた新井田川沿いをチャリで走って、私は初めて呆然とした。
町が……無くなってる。
正確にいうと、どんな風の具合かわからないが、全く燃えていない建物が二三見受けられるものの(そのうちの一軒は私の知り合いの家で、その後、的外れな怨嗟のために投石されたりした)、あとはもう、なんっにも無くなっているのである。
ここに至ってようやくことの重大さに気づいた私は……なにも出来なかった。無力な高校生にも、何ごとか出来ることがあったはずなのに。
あれから四半世紀以上たち、初めて観るニューバージョン「愛のコリーダ」は、ワイセツに関する日本人の感性が鈍化(私は素直に成熟、と思っている。そろそろヘアー云々は卒業する頃だろう)したことと自分の老化があいまって、ハードコア云々というより、日本の様式美を徹底的に画面にぶち込んだ古典、に見えた。文句なく傑作。
若い頃に観ておけば(観るべきだった、とつくづく思う)、鼻血の1リットルも流していたかもしれないが。
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