実は誰もがどこかで覚悟はしていたはずだが、やはり哀しい。
空恐ろしいほどの大スターだった父親に溺愛され、自分の血を最も色濃く継承していると評価された最後の映画俳優。
しかしそのことを意識してか、あるいは無視してか、彼の主戦場はテレビになった。
軽妙な役をこなしながら(わたしのブログはいまだに古畑任三郎のヒット数が多くを占めている)、しかし私生活を徹底して秘匿した人。
照れを知っていたのだろうし、昔ながらのスターをも体現していたのだ。
近ごろわたしはテレビドラマのDVDをたくさん見ている。
「重版出来!」
「俺の話は長い」
こういう路線を、実は田村正和が切り開いていたと思う。
妻が大好きな「大豆田とわ子と三人の元夫」における松田龍平と石橋静河のからみを見てつくづくとすごいツーショットだと感じ入る。二世には二世のつらさもあるだろう。しかし二世にしか出せない味もやはりある。
偉大なる二世男優の退場がさみしい。
今月王レス全話と古畑を数話見返していたばかりなので,衝撃が倍増しました.
このご時世で無ければ盛大な告別式になったであろうけれど,
正和さんはそういうの望まないかな.
唯一無二の個性,惜しい人を失いました.
唯一無比ですねほんと。