2021年4月号「配当予算発表」はこちら。
新規採用者が2名もいることではあるし、久しぶりに学校事務の基本的な部分をシリーズで解説します。ということで第一回の特集は給料。わたしたちが受け取る賃金の本丸です。
この、賃金の支払い方については、労働基準法で定められた五つの原則があります。
①通貨払いの原則
②直接払いの原則
③全額払いの原則
④毎月1回以上払いの原則
⑤一定期日払いの原則
まず、大前提の通貨払いの原則から考えてみましょう。この原則は要するに
「現金で払え」
ということなのです。つまり、小切手や自社製品の現物(いくら売れ残っていても、あるいは職員にとってお得だったとしても)などでの支給はまかりならんと。くわえて
「日本円で払え」
とも決められています。たとえドルやユーロなどの基軸通貨でも、価値が変動するリスクと換金の不便さが労働者の不利益になると考えられるからです。来月からペソで支払いますと言われたら、あなた不安でしょう?
いやちょっと待てと。おれは久しく学校事務職員から現金で給料を受け取ってないぞと主張する人もいるはず。そうです、口座振込はどうなんだと。実はこれはちょっと無理くりに認められた例外で、
・本人名義の
・本人が指定した口座に
・本人が同意した上で
行われるギリギリの制度なのです。給料日当日(午前10時あたりが目安という噂)に本人が現金化できるという条件のもとに認められています。実際には午前9時前からATMで現金を引き出すことはできるようですが。
※来月から本校も全員全額振込です。ううう長かった……
さて、ここで出てきたのが給与のデジタルマネー払い解禁の動きです。
酒田市を例にとるとわかりやすいかもしれない。昨年の10月から12月まで、特定のお店でPayPay払いをすると、30%がポイントで返ってくる“お祭り”があって、参加した人も多かったでしょう。
全国各地でこのお祭りは行われていますが、酒田市はその極端な成功例と言われています。狂奔、と形容できるぐらいに盛り上がった。他人ごとのように言っていますが、わたしだってスタッドレスタイヤやラーメンなどをペイペイしてきっちり3万円分のポイントをゲット。
そして今月末までまたしてもPayPay祭りが……ノボリが立っているガソリンスタンドには車の長蛇の列。またしても盛り上がっている。じゃあ、給料もPayPayに直接振り込まれれば便利なんじゃないか。誰でもそう考えます。ところがそこにはメリットもデメリットも。以下次号。
画像は古畑任三郎。
脚本を書いた三谷幸喜の当初の構想では、古畑は玉置浩二に悪魔のような人物として演じさせるつもりだったらしい。しかし田村正和によって今泉(西村まさ彦)とのこんなやりとりが可能になった。
古畑:(ガソリンスタンドまで)たかが2、3キロじゃないか。
今泉:2キロと3キロじゃ1キロも違うじゃないですかっ!
2021年6月号「PayPayの町をもうちょっと」につづく。
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