前作の特集はこちら。
三川町出身の奥泉光が放つ、実はスタイリッシュでもなんでもないヘタレ准教授のグダグダな日常。
いちおうミステリの体裁は保っていて、でもそれは底辺大学の文芸部員たち、特に構内でなぜかホームレス生活を送っているジンジン(激しく魅力的)が圧倒的な推理力を見せるので桑潟の出番はない。
それどころか、いくらクワガタって名前だからといって、そしていくら貧乏だからといってセミは食べないで(笑)。
教育産業が大学にいかに食い込んでいるかとか、教育勅語への批判を低偏差値学生に語らせ、妙に説得力があるあたり、小説としてやっぱり面白いです。
あ、それから作品とは関係ないんですけど、長らくご愛顧しました三川のラーメン屋「いち」は8月末をもって閉店したそうです。なんでなんで(T_T)。ここで「極悪ごんぼ」や「カバチタレ!」を読むことはもうかなわないのか……
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