二年間の研修を離島で行い、全人的な医療を身につけようと考える新見一良(真実一路をひねっている)。しかしその病院のスタッフからはやる気が感じられず、患者も本気で医療を望んでいないように見える。それはなぜか……
ユーモア小説の体裁をとりながら、扱うテーマはとてつもなくディープ。はたして患者の望んでいない先端医療を強いるのは、医療の傲岸というものではないかというテーゼは魅力的。
ただ延命することで平均寿命が延びることにどれだけの価値があるのか、医者の受診率が低いがん検診に本当に意味はあるのか、嫌煙運動のうさん臭さ……検診で要再検だの要治療だのと脅されているわたしにとって、とても気の休まる、そして同時に考えさせられもする作品でした。
自分の意志がうまく伝えられない状態でチューブだらけになり、自分の人生の最後の意志が
「痛い」
なのはいかにもつらい。
作者は医師だけど、読者としての医師たちがどう読んだかが知りたいなあ。コード・ブルーのシーズン2を見始めたのでなおさら。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます