そうか、宍戸錠も逝っちゃったのか。
この人の“ピーク”はもちろん60年代の日活アクション映画だ。エースのジョーだったわけだしね。そのあたりの事情は小林信彦や渡辺武信がきちんと書いてくれている。
でもわたしの世代にとっては、ジョーのイメージをバネにして、軽やかに芸能界を駆け抜けていた彼の姿が素敵だった。おしゃれだったじゃないですか常に。
シャレのわかる人だったのは、「ゲバゲバ90分」で楽しそうにコントをやっていたことだけで十分に承知。
熊倉一雄、藤村俊二、小松方正、小川知子などとくりひろげていたあの祝祭のような時間を成立させていたのは、まちがいなく宍戸錠という存在があったからだと思う。二枚目と三枚目の両方ですばらしいというのは、人徳というものだ。
浮気し放題である以上に、だから妻に不倫を奨励するあたりもおしゃれ。つらいこともたくさんあったはず。だけどそれをまったく見せないあたりが日活出身らしい。
「チッチッチ」という、あのポーズが今も鮮烈。
とても、うらやましい人生だったと思います。明日の朝刊で、誰がコメントするのかな。矢作俊彦だけははずさないでほしい。もちろん小林旭と渡哲也に集中するんだろうけど。
あ、浅丘ルリ子がいたっ!
植木等もいかりや長介もいない世界に
住んでるんだよね。あーちょっとしんどいなあ。
そして大橋巨泉や宍戸錠もいないんだよ。
やるせないっす。
今日飲んでいたおっさんから聞いたんだけど、
もうこれ以上子どもをつくらないってことで
「錠」
とお父さんは名づけたと。でもだからこそ長男に
「開」
とつけたってのは初耳。おしゃれだなあ。