本日は富士フィルムフォトサロン→紀伊国屋→たぴお→時計台→市民ギャラリー→コンチネンタル→さいとう→ivory→趣味の郷→三越→スカイホールの11か所。
■ギャラリーたぴお「LOOP EXHIBITION」。2か所で行われている、この展覧会。まずはたぴお会場から。
坂本正太郎「マキシマリズム」:展示会場の中心に鎮座している球体。これが宇宙の中心となり、場を支配している感あり。表面の研磨・打ち跡から苦労がしのばれるが、そういう感じをさせない美しさもある。
手塚晶広「days」:色彩の美しい7連作。ピンクのワンポイントが効いている。
石川潤「micro cosmos」:最初の頃は、不思議な空間の穴だったものが、今回は生き物を思わせる感じがする。
向中野るみ子「記憶のカケラ」:タイトルから想像するより、はるかに強い形と色彩。主催者の鈴木さんから「武士のようだ」との感想あり。
■時計台ギャラリー「第4回道都大学学生作品展」。宴会の待ち時間に一度行ったのだが、やっぱりもう一度見直す。
清武昌「秘密」:ちょっと観念的要素が感じられる自画像? もう少し工夫が欲しい。
三澤和浩「老練」:年配の男性を真正面から描いた作品。
堀成美「soften」「狡兎三窟」:最小限のシンプルな表現で想像させる。
■市民ギャラリー「北海道芸術デザイン専門学校第42回卒業制作展」「第9回北海道芸術デザイン専門学校OB作品展」。
下山麻耶「感謝して祈り、努力することしかできない」:メインの花はこぶしだろうか? そこに蜘蛛の巣と蜘蛛を配して、なかなか素晴らしい作品だ。
横山恭子「日溜まりの時間」:父をリアルに描いた好品。
工藤遥「閉じこめた光」:ガラス瓶の中に入れられた少女。外にあるビー玉には手が届かないのだ。
実はこの展覧会では「OB作品展」が楽しみ。寺島寛之と野沢桐子が相変わらず素晴らしい作品を出品しているが、何だか見たことがあるような気もする。それにしても、野沢桐子は個展をやってほしい。あれだけの作品だから、寡作家なのだろうとは思うのだが…
■ivory「LOOP EXHIBITION」の2会場目。
小崎慎介「a guidepost」シリーズ:暗い闇に古めかしい商店などが浮かぶ、写真作品。これは素晴らしい作品だ。
東影智裕「kangaroo」:動物の頭部を樹脂で作成したもの。動物たちは困ったような顔や、諦め顔をしている。1個だけ持たせてもらったが、結構重い。「首の面までリアルに作ってあったら困りました」と下らないことを言ってみた。
川口巧海「千の祈り」:エッシャー的雰囲気を漂わせる、千羽鶴の版画。
佐々木久美「不変」:緑の色彩が美しく、やや不定形な立方体がいい形だ。
佐藤美紀子「手の詩」シリーズ:箱に入った小さな”手”の形。手から感情が感じられる。
カトウタツヤ「無題」:真ん中にある作品は、黒と白のひゅるひゅるとした線が日本画のようだ(ご本人も好きだと言っていた)。男女の出会いを描いたものだが、男性の顔に黒いしみがあり、欠落した何かとこの先の不幸を感じさせる。作者談としては「写真の焼きつきのようなもので、あれって必ず大事な所にかかるでしょう」ということであった。
東影さんは「札幌の人は端からきちんと1点づつ見ますね。銀座だと、好きな作品のところにまっしぐらに行き、『それじゃ』って帰る人が多いです」と見方の違いを説明してくれた。この会場にも鈴木さんがいたので、作家の方々といろいろ話をさせてもらった。