今週は祝日にギャラリー巡りをしておきたいと思う。PATOS→市民ギャラリー→4プラ→スカイホール→さいとう→ivory→茶廊法邑→品品法邑→たぴお→時計台→大通の11か所。富士フィルムフォトサロンとCAI02が休みで残念。
■PATOS「箱と庭(ハコトニワ)」。クスミエリカの大木の下に少女がポツンと座る写真がよかった。しかし、琴似駅の地下にこんなスペースがあるとは…。
■市民ギャラリー「道展U21」。
佐藤綾香「INSIDE BLACK」:出品サイズが決まっているのかなあ。「札幌大谷大学短期大学部美術展」で同時に展示されていた「BESIDES WORDS」の方が好きだ。まあ、いずれにせよ、着目していた作家であり、大賞おめでとうと言いたい。
早坂美咲「風鈴」:硝子の風鈴越しの表現がなかなか。
瀬尾勇人「暇から来た不安」:青春の不安感が良く表現されている。
高澤皓「充電」:コンセントの裏側からプラグを差し込もうとする人を見た図。面白い。
田中由姫穂「憂色な夕食」:食卓風景をカラフルに描いた作品。メルヘンを越える何かがある。
佐貫友紀「未知創」:ARTスペース201で見た作品。黄色と青という不安定な色彩が良い。
山崎文菜「廻るいのち」:大木の根元に蝶が舞う作品。良くできている。
阿部静香「みつめる」:中央に堂々たる鹿の画。実にしっかりした作品。
豊岡この実「リンゴ」:リアルな静物画というだけではなく、色にパンチ力がある。
山之内ほのか「沈殿する責務」:物思う女性が水中でシュノーケルを咥えている。悩みの表現としてうまい。
沼田円恵「斜陽」:全面鏡張りの建物にうつる謎のグジャグジャ。こういう理屈を越えた作品もあるべきだ。
中川由衣「human」:女性の背中に色を散らした作品。ちょっと面白い。
阿武野星南「美女と野獣」:文字通りの女性とライオン。うまい。
三澤和浩「森に抱かれて」:大木の前に繊細な感じの人物を配した作品。この人、本当にうまい。
能和暁「ある移ろいと揺れる静思」:最近目立つような気がする、水面反射世界系では一番良かったのではないだろうか。
遠藤駿「祖父母の家の煙突」:ただ煙突を描いた朴訥な作品。
高橋礼奈「灯し火」:ろうそくの火をアップで描いた作品。背景のぼやけ加減も合わせて良い。
伊藤ありさ「なんだろう君」:カラフルな生命体と言った感じの立体作品。楽しさが伝わってきて、かつ作品としてもしっかりしている。
増田芙美「自分の見える木」:ワイヤー状のもので作った木の足元に、とがったガラスを配置している。硝子の先端はいずれも木の方を向いており、ヒリヒリする作品。
■スカイホール「北海高校美術部どんぐり会展」。
佐藤誠「変」:牙のある魚。不思議な画力がある。
菅野航平「a tale of memories」:この展覧会でおなじみの、色々詰め込み破綻系の作品だ。これは良い。
金澤凌「ロングワンダーリム」:緑の頭と足だけのような生物。いくら好きに描けと言われても、ここまでダイナミックに描けるだろうか。
ところで今回は100回記念展なので、OBの作品もかなり出品されている。良い作品も多いのだが、若い高校生の自由な画が炸裂するところを見たい展覧会でもあるため、ちょっと残念でもある。OB分は控えめに紹介。
藤田有紀「温度」:さっと描いたように見える女性。伏目の表情がうまい。
中田英夫「集」:ぼんやりした5本の瓶。これも何となく好きだ。
梁川剛一「キリスト」:弟子の足を洗うキリスト。この作家の作品が見られるのは嬉しい。
■ivory「札幌学院大学総合芸術研究会写真部 卒業記念写真展」。倉内亮の「黒塗りの記憶」は何気ない風景だが、黒が強くて迫力がある。
■ギャラリーたぴお「水戸麻記子絵画展 MITORAMAFUL」。楽しみにしていた展覧会だ。
「夢とメシ」:バンジョーを構えた男の顔は骨だけになっている。腹が減っても夢に生きるということか。しかし、ご飯と鮭を食べている男の方だって、夢を捨てたわけじゃない。背筋がピンと伸びている。
「黒い犬」:背景を見て、何となくポタラ宮の裏側にある小道のような気がしてきた。あれを正面から描いてもどうにもならないが、裏から描けば実に雰囲気がある。
水戸さんの作品を見ていると、描かれている人たちが正しく生きていることが感じられる。それが作品から伝わってくるのが素晴らしいのだ。
■時計台ギャラリー「山本勇一油彩画展」。40年以上の画業を概観できる展覧会。「酒造場風景」の建物が何となく立体図形のようで面白い。
「北海道教育大学大学院教育学研究科(札幌校・岩見沢校)教科教育専攻 美術・国語(書道)教育専修 修了制作展」。齋藤由貴「静寂に潜む」「静寂に潜る」は青い森に座る女性と立つ女性を描いた作品。大作であり、思いっきりが良い。