魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

よく似たゲンゲたち

2013年03月06日 19時57分43秒 | 魚の見分け方

最近暖かい海の魚の記事を書いていたので。今回は冷たい深海の魚。そのなかでもポピュラーな存在であるゲンゲ科の魚について。

上がカンテンゲンゲBothrocara tanakae (Jordan and Hubbs, 1925)。下はシロゲンゲBothrocara molle Bean, 1890。カンテンゲンゲは以前にもブログで紹介したことがありました。シロゲンゲは東北地方や北海道の太平洋岸に生息する種類です。シロゲンゲもカンテンゲンゲも同じシロゲンゲ属の魚で、日本産シロゲンゲ属魚類はこれら2種類と、ノロゲンゲの計3種が知られています。

 
 
よく似た大型種で同定がしにくいのですが、頭部背面を見れば同定が可能です。カンテンゲンゲの頭部背面です。眼は近寄っています。
 
 
こちらはシロゲンゲ、両方の眼は、カンテンゲンゲと比べて離れています。
 
しかし、この同定方法は、両方の種がいないとなかなか見分けにくいかもしれません。このほかの同定方法として、胸部腹面の鱗の有無が挙げられます。カンテンゲンゲは、この部分に鱗がないのですが、シロゲンゲでは鱗があります。
オグロゲンゲ属のカムチャッカゲンゲも、シロゲンゲに似ていますが、カムチャッカゲンゲは側線が1本なのに対し本種では2本である、などの違いが見られます。
 
シロゲンゲはこの仲間では最も広く分布する種で、北海道・東北地方の太平洋岸、オホーツク海、ベーリング海、北東太平洋のカナダ~メキシコのバハ・カリフォルニアまで見られるようです。
 
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ヤミハタ・マハタの見分け方

2010年08月08日 23時15分01秒 | 魚の見分け方

最近頂き物の記事ばかりが多いですね・・・

今日はヤミハタCephalopholis boenak  (Bloch)をご紹介します。

ヤミハタはユカタハタ属の魚です。ユカタハタの仲間は世界中の熱帯・亜熱帯海域に生息します。フレックルドハインドという種は本種に似ていますが本種の頭部には青い斑点がありません。ヤミハタの体側には白い斑模様があって、マハタHyporthodus septemfasciatus (Thunberg)に似ます。


マハタ

この2種の最もたやすい見分け方は、背鰭棘をみることです。

ヤミハタ背鰭

ヤミハタは背鰭棘が9本あります。この背鰭棘数9というのは日本産ユカタハタ属の全ての種にあてはまります。このほか、クロハタ、タテスジハタ、バラハタ属も背鰭棘を9本もちます。ちなみにスジアラ属は8本、アズキハタは10本です。

マハタ背鰭

マハタの背鰭棘は11本からなります。この写真では第8棘が短くて見えにくいですが・・・。このマハタ属は従来の「マハタ属」を構成する重要なメンバーだったのですが、近年本種が体高のあるハタが所属する別属にうつされました。しかし、この11本の背鰭棘というのは旧マハタ属の共通する特徴です。ただし中には12棘のもいるようですが・・・

またヤミハタが主として琉球列島など、珊瑚礁の浅瀬にいるのに対しマハタは幼魚では浅海、成長したものは深海にうつるなど、生態も大きく異なっています。ヤミハタは大きくても25cmくらい、一方マハタは大きいものでは1.9mに達します。

コメント (10)
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