今日の魚 2007年9月21日
カワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus variegatus (Temminck and Schlegel)
今回紹介するのは、コイ科の淡水魚、カワヒガイです。この写真の個体は雄で、婚姻色が現れています。タナゴ類やヒガイ類、ダニオ亜科の魚の雄は、繁殖期に美しい婚姻色を出現させ、華やかです。
●分布
濃尾平野から西の本州(山口県を除く)と九州北部、長崎県壱岐に分布します。Sarcocheilichthys variegatus という種類にはい3つの亜種が知られ、内日本には2亜種が知られています(後述)。
●分類
前にも述べたようにSarcocheilichthys variegatus という種類には3つの亜種が知られます。
Sarcocheilichthys variegatus variegatus (Temminck and Schlegel) カワヒガイ
Sarcocheilichthys variegatus microoculus Mori ビワヒガイ
Sarcocheilichthys variegatus wakiyae Mori ミナミヒガイ
このうち、カワヒガイが基亜種になります。本種はこの3亜種の中でもっとも早く見つかりました。亜種という概念はやや難しいので、ここでは飛ばします。
ヒガイの仲間は全てコイ目ヒガイ亜科に含まれます。ヒガイ亜科に含まれるものには他にもムギツク、モツゴ、ヤガタムギツクなどがいます。
●生態
ヒガイの仲間は二枚貝に卵を産むという変わった習性があります。産卵期は初夏ごろで、このころには派手な婚姻色の雄が採集されます。本種は主に河川中流域に生息し、同じヒガイ亜科ではムギツクと共存することが多いです。モツゴはやや流れが緩やかな場所に多いでしょうか。