この間の採集の際には久しぶりの魚が採集できました。
シマヨシノボリRhinogobius nagoyae Jordan and Seale, 1906で、お久しぶりです。
シマヨシノボリは、河川の中・下流域で見られる魚です。平野の河川では少ないそうですが、採集した河川ではたくさん見ることができました。以前にこの種を見たのは四国の小規模河川で、その時はヨシノボリ属ではこのシマヨシノボリと、ゴクラクハゼのみが生息していました。
それ以前に採集したのは2006年の早春で、このときはシマヨシノボリとしては大き目の個体が多数採集できました。この時がシマヨシノボリとのはじめての出会いだったと思います。当時はヨシノボリ属の魚はゴクラクハゼ、カワヨシノボリとクロダハゼくらいしか採集したことがなく、赤い模様を頭部に有する本種はあこがれの種類でした。
そのときのシマヨシノボリ。雄・雌の大型個体と、小型個体を採集できた。写真の個体は大型の雌。
●奄美以南のシマヨシノボリ
沖縄や奄美のシマヨシノボリは九州以北の集団と遺伝的に異なっているようで、見た目にも頬の斑紋が濃かったりします。体側の斑紋も赤みが強く美しいです。私がこの魅力的なヨシノボリと初めて出会ったのは2008年の春、奄美大島の、あまり魚がいないような小さな浅い河川でしたが、雌の腹部の青い色がとても美しく、輝いていました。
奄美大島ではほかにアヤヨシノボリ、ヒラヨシノボリ、クロヨシノボリなどが生息しています。