魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

キジハタ

2022年10月09日 10時16分38秒 | 魚紹介

きのうノミノクチを紹介していたので、今回はそのノミノクチによく似たハタを。スズキ目・ハタ科・アカハタ属のキジハタ。

地方名は関西の方はご存知「あこう」、長崎で「あかあら」と呼ばれ、一部地域ではオオモンハタなどとともに「あずきます」と呼ばれる。「あずきはた」と呼ばれることもあるが、標準和名でアズキハタと呼ばれるものもいるので注意が必要。ただしアズキハタは基本的に熱帯性のハタであり、九州以北ではほとんどお目に罹れない。

学名はEpinephelus akaaraといい、種小名はakaara、つまり「あかあら」である。アカハタと間違えられやすいが、アカハタは長崎では「あかあこ」という名で呼ばれている。英語名では日本の長崎県の個体をもとに新種記載されたにもかかわらず、FishbaseではHong Kong Grouperと呼ばれている。おそらく香港産の個体をタイプにした学名がよく知られており、のちにそれがキジハタのジュニアシノニムになったのではなかろうか。

昨日のノミノクチ同様に温帯性のハタで、津軽海峡~九州までの各地沿岸、朝鮮半島、台湾、中国沿岸、トンキン湾に分布している。日本では日本海沿岸や瀬戸内海など、温帯の黒潮の影響をあまり受けないところに多い印象がある。ただし太平洋岸では全く釣れない、なんてことはなく、高知県の南西岸でも釣れることがある(ただし幼魚のみ確認)。奄美大島や小笠原諸島にも分布するような記述があるが、これについては「日本産魚類検索第三版」においては、クエスチョンマークがついている。

キジハタの背鰭(背鰭棘中央部に寄生虫がついている)

ノミノクチの背鰭

キジハタとノミノクチの見分け方は、体側の背縁付近をみるといい。キジハタでは背鰭中央部にひとつの暗色斑、ないし暗赤色斑があるのに対し、ノミノクチでは体側背縁、背鰭との境目付近に明瞭な暗色斑が数個あるので見分けられる。ただし、キジハタの特に幼魚のうちは体側後方に不明瞭な暗色横帯が入ることがあり、そこに暗色斑があるように見える。またキジハタの成魚ではトップ画像の個体のように背鰭中央部の大きな暗色斑を欠くことがあり、ノミノクチの模様を薄くしたような暗色斑が入ることがある。トップ画像のキジハタは福岡県の津屋崎で獲れたものを「お魚センターうみがめ」で購入したもの。津屋崎にお住まいの方なら魚はここで購入したい。「道の駅むなかた」もよいのだが、魚の値段がかなり高い。「お魚センターうみがめ」ならこんな良いキジハタも安いのだ。

最後に。

上からキジハタ成魚・キジハタ幼魚・ノミノクチ。うーむ。違いが分かりにくい。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノミノクチ | トップ | カガミダイ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

魚紹介」カテゴリの最新記事