ちくしょう、転勤だ!ということになったので、筑波山麓で今まで間近で観察できなかったものを見て回っている。
大学の教育の場面では「大学院重点化」、文部省(当時)以外の省庁は傘下の研究所への予算の増額、が始まったのは1990年代中頃である。(今からみれば)科学技術バブルの膨張開始であった。
現在、まだ「ポスドク問題」とか(一部?)騒いでいるが、信じられない。なぜなら、2000年には「ポスドク2000年問題」と研究者の間では話題になり、こんなに博士を増やしては、そのうち破たんするのは明らかであるという認識があった。もちろん、この「ポスドク2000年問題」は「Y2K問題」にかけた表現である(=Y2K問題::コンピュータのプログラムにおける西暦の表示方法により、コンピュータ制御の不具合で事故が起きるのではないかと危惧されたこと)。もっとも、今から見れば、この認識は研究者世間全体の共有認識ではなかったのだ。
なぜなら、それから15年あまり、「無駄な」博士が量産されているからである。
「無駄な」博士となったおいらが、まだ「有益な」博士になろうとがんばっていた頃、つくばは二の宮に御殿ができた。
まだ20世紀末であった。建てたのは科学技術庁(当時)の傘下の独立行政法人;科学技術振興機構(略称JST)である。
当時は、未だ、TXも開通しておらず、つくば駅付近では高層マンションは建設されていなかった(とおいらは記憶している)。
小泉内閣時代の独法批判の嵐にも特に問題化されなかったと、おいらは記憶している。
いままでは、西大通りから遠目に見るだけであったが、見に行った。
人気は感じられなかった。画像は示せないが、低層階の部屋はカーテンがひかれていなかった=人がいないんじゃないか。