草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

日米首脳会談で安倍首相が主張すべきは自由貿易の維持だ!

2017年02月08日 | 経済

安倍首相とトランプ大統領との日米首脳会談が10日に行なわれるが、そこで何が決まり、何が話し合われるかを世界が固唾を呑んで見守っている。安倍首相は超大国アメリカの指導者であるトランプに対して、助言を惜しむべきではないだろう▼トランプの登場はアメリカ国民の支持を受けており、一握りの金持ちに支配されることへの異議申し立てであった。IT産業は膨大な富をアメリカにもたらすとしても、多くのアメリカ人にとっては無縁なのである。リベラルがその声を代弁せずに、結果的に保守派のトランプが代弁することになったのである。安倍首相が主張すべきは、自由貿易の維持である。それが我国の国益にもかなうばかりか、世界の平和と安定にもプラスに働くのである▼高坂正堯は『日本存亡のとき』で自由貿易の意義を説いた。「自由貿易は他の国々がそうするから自らもするというものではない。安くてよいものがあれば外国から買い、自らはその得意とする生産活動をおこなうべきであり、それは他国の行動と無関係に自らの利益になるというのが自由貿易論の立場である。私はそれが大体のところ正しいと思うが、そうである以上、もし日本がそうした場合、日本経済の相対的な強さはより広い舞台で維持されることになる」▼自由貿易のために日本が果たすべき役割を避けて通ってはならない。経済を通じての国際貢献を抜きにしては、日本の繁栄を考えられないからである。

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「重い国境税を課す」とトヨタを恫喝したトランプを侮るなかれ!

2017年01月06日 | 経済

世界は協調から分裂に向かっているのだろう。超大国であるアメリカが国益をごり押ししてくる時代を迎えた。大統領就任間近のトランプがいよいよ牙を剥いてきたのである▼フォード・モーターのメキシコでの新工場建設は、トランプの「雇用を奪われる」との一言で中止になった。続いてトランプは日本のトヨタ自動車にも警告を発した。自らのツイッターで、メキシコにアメリカ向けのカローラの新工場を建設すれば、対抗処置として「重い国境税を課す」と宣言したのである。メキシコからの不法移民を減らすには、働く場所をつくってやればいいわけで、それをなぜ理解できないのだろう▼尾高朝雄は『法の究極に在るもの』において「国際政治は、各国家を法の前に平等な主権国家として取り扱うという国際民主主義の建前を堅持するのが、自然なのである」としながらも、「ただ、各国家の政治上の主権性が世界経済の円滑な運行を妨げることがないようにするために、特定の大国家の経済上のヘゲモニイが認められなければならない」という力のバランスを否定しなかった▼それを容認した上で尾高は「特定の大国家」の「経済上のヘゲモニイには、与えられた条件の下にできるだけ世界全体の配分の公平を図るという最も大きな責任がともなわなければならない」と書いたのである。トランプにその自覚があるかどうかなのである。

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アメリカが保護貿易に舵を切れば日本は大破局に!

2016年10月02日 | 経済

誰が大統領になっても、アメリカは保護貿易に回帰するのではないだろうか。戦後の日本が経済的な繁栄を享受できたのは、自由貿易の守護神としてのアメリカがいたからである▼小室直樹は『アメリカの逆襲』で「ある日突然、晴天の霹靂のように、自由貿易の中止を告げる“第二のハル・ノート”が日本につきつけられるかもしれない。その日、バビロンの栄華を誇る大いなる日本第二帝国は三つに裂け、われわれは大破局の日に会することになる」と予言した。安全保障面にとどまらずに、日本は今重大な試練にさらされようとしているのだ▼自由貿易の理論的支柱はリカードの「比較生産費説」である。小室は「比較生産費説」を詳しく解説している。イギリスの農業は小麦をつくっても、葡萄酒をつくってもポルトガルにまさる。その程度が違うので、大きくまさる小麦に力を入れ、葡萄酒はポルトガルから輸入する。逆にポルトガルは葡萄酒に力を入れ、小麦はイギリスに頼れば、両国とも得をして、持ちつ持たれつだというのだ▼国際分業のメリットを主張するのが自由貿易なのである。しかし、それは理論上のことであり、実際にはいくつかの条件があった。イギリスが世界の海を支配できたのは、自由貿易を掲げたからである。第二次世界大戦後はアメリカがイギリスに取って代わった。あくまでも自国の利益と合致したからであり、アメリカにメリットがなくなれば、当然のごとく保護貿易に向かうことになるのである。

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金融庁や財務省に白旗を掲げた日銀に髙橋洋一がレッドカード!

2016年09月26日 | 経済

日本の経済学者の意見はほとんど傾聴に値しないが、浜田宏一と髙橋洋一の発言だけは別である。去る21日の日本銀行の政策決定会議に関しての髙橋の意見は辛辣である。金融緩和をもっと進めるべきだと髙橋が主張するのは、インフレ率の目標であった2パーセントに達していないからである。金融緩和には雇用の確保という目的がある。完全雇用の失業率2・7パーセントに近づける努力をすべきなのである▼マネタリーベースから、目標を長期、短期の金利目標に設定し直したことを捉えて、髙橋は「今回の日銀は、金融政策の枠組みを変えたが、その中身をみると、金融緩和はしていない。やり方を変えますと言いながら、何もやらなかったわけだ」と厳しく批判している。大胆な金融緩和の方針が揺らいだ背景としては、日銀、財務省、金融庁による三者会合の場がつくられたことを指摘している▼マイナス金利は国民のためにはなっても、メガバンクには収益減になる。金融庁はその擁護者なのである。安倍首相の積極財政を支えることになる国債の発行の拡大は財務省が嫌っている。この場に及んで日銀が金融庁や財務省に白旗を掲げたのである。2年でインフレ率2パーセントの達成は消費増税が障害になったのであり、これをきっかけに円高基調になれば、日本経済が悲惨なことになるのを髙橋は危惧しているのである。

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自由貿易体制の危機を乗り切るために安倍自民党に一票を!

2016年06月25日 | 経済

安倍首相を狼少年扱いにしたマスコミや野党は、自分たちがロにした言葉をもう忘れたのだろうか。世界経済は順調であり、リーマンショックのような危機はならない、と批判したのではなかったか。それを理由にした消費増税の延期をアベノミックスの失敗とも決めっけたのではなかったか▼しかし、実際に世界は大変なことになったではないか。EUからのイギリスの離脱はョーロッパだけの問題ではない。行き過ぎだグローバリズムの反動として自由貿易体制そのものが否定されようとしているのである。その影響をもっとも受けるのは日本である。いかに安倍首相は予想していたとはいえ、昨日の安倍首相は 疲労の色を隠せなかった▼世界経済の混迷はイギリスにとどまらずに 、EU各国に飛び火しようとしている。アメリカの大統領選挙で共和党の候補者にトランプがなったのも、今回のことと連動している。これに対処するには、日本の政治が混迷していてはならない。今のところ日本丸の舵取りができるのは安倍首相しかおらず、参議院選挙では自民党を圧勝させなくてはならない。民進党や共産党のように、反対のための反対しかできない政党では、未曽有の危機を乗り切ることはできないからだ。

 

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世界経済の危機に備え財政出動の必要性を訴えた安倍首相!

2016年05月27日 | 経済

安倍首相が伊勢志摩サミットで指導力を発揮した結果、主要7カ国が率先して財政出動を行うことで意見が一致した。2008年のリーマンショックが再発する可能性にも言及し、協調して危機に備えることで足並みを揃えたのである。これは画期的なことである。それと同時に安倍首相は、我が国が率先してインフラや環境エネルギー、科学技術の分野へ積極的に投資することを明言した▼これまでは世界的な流れとして、新興国にも構造改革を要求し、それに応じなければ徹底的に排除するグローバリズムが横行してきた。今回の提案はそれとは大きく異なる。まず主要7カ国がアクセルを踏むことで、国内で内需を拡大し、それによって新興国をバックアップしようというのだ。安倍首相はサミットの場でそれを提言をし、大筋において賛同を得たのである▼制御の効かなくなったグローバリズムを修正し、主要7カ国も新興国と一緒に経済成長を達成すべきなのである。まさしくそれはリベラル経済学のジョセフ・スティグリッツの主張と一致している。日本のマスコミがその点を評価しないのは、彼らこそが新自由主義の信奉者であるからだろう。今後の世界経済の行方は不透明であり、楽観できないことは確かである。リーマンショックのような事態にならないためにも、主要7カ国は財政出動にとどまらず、あらゆる手段を講じるべきだろう。経済が安定すれば世界から戦争や紛争をなくすことにも結び付くのだから。

 

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アベノミクスの評価が定まるのはこれからだ!

2016年05月04日 | 経済

アベノミクスによって雇用が増え、株も民主党政権時代の倍に跳ね上がった。しかし、世界経済はより深刻の度を増してきており、このまま推移するかとなるとはなはだ心もとない。中共の経済は崩壊寸前ともいわれ、かえって円への信用が高まってきている。株も値下がり傾向にあり、ここで金融緩和を加速させるとともに、大胆な財政出動が必要になってきている。アクセルを踏みこむべきなのである▼安倍内閣への若い人の支持が高いのは、雇用が改善されたからである。間違っても消費増税はないと思うが、安易に財務省の主張に安倍首相は屈するべきではないだろう。中共などの世界発の激震には、私たち日本人はじっと耐えるしかない。自由貿易の原則を維持するには、それなりの妥協もしなくてはならない▼今もっとも大事なのは、安倍内閣がどのような財政出動を行うかである。地方創生とか言われてはいるが、すぐに手を付けるべきは国土の強靭化ではないだろうか。老朽化した高速道路をこのまま放置しておいていいわけがない。2020年の東京オリンピックに向けて、目玉の政策にすべきだろう。アベノミクスについて理解してもらうには、実績を積み上げていかなくてはならない。実質賃金が上向いてくればアベノミクスは成功したことになる。徐々にそれに向かいつつあるとはいえ、経済は生き物である。戦後レジームからの脱却を目指すためには、まずは経済政策で国民を納得させなくてはならないのである。

 

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「租税の公平の原則」に反するのがタックスヘイブンだ!

2016年04月09日 | 経済

国家に背を向ける行動に対しては、保守はもっと怒りの声を上げるべきだろう。タックスヘイブンでの法人設立代行で、パナマにある世界で4番目の事務所から情報が流出したことで、世界中が大騒ぎになっている。税金を払いたくないために、金を持っている法人や個人がタックスヘイブンを利用するというのは、ある意味では隠れ財産をつくることだ。それを見過ごしてしまえば、税金を払うことがばかばかしくなってしまう▼日本国憲法第二五条では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障、およぶ公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めている。生活できない国民に対しては、国が手を差し伸べるべきだと書かれているのだ。そのための財源となるのが税金である。それから逃れようとするのは、国家を認めていないからであり、同じ国民として助け合おうとする思いやりがないからだろう▼麻生財務大臣が述べているように、断じて不公平なことを容認してはならないだろう。タックスヘイブンを利用できなくなれば、我が国の税収不足のかなりの部分が解消される。インターネット時代の到来によって、何もかもがさらされるようになってきた。隠し財産が暴かれる事態になれば、もっと世界は違ってくるのではないだろうか。法に触れるかどうかは別にして、アダム・スミスの「租税の公平の原則」に反しており、悪いことはできないのである。

 

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アメリカが自由貿易を止めれば日本は「大破局の日に会する」!

2016年04月01日 | 経済

アメリカの大統領選挙をめぐる動きを見ていると、民主党のクリントンも、共和党のトランプもTPPに反対を表明している。自由貿易の守護神を任じていたアメリカが今変わろうとしているのだ▼自由貿易を擁護するリカードの比較生産費説(比較優位説)を、小室直樹が『アメリカの逆襲』のなかで解説しているが、例として英国とポルトガルが挙げられている。「英国の農業は生産力が高いから、小麦を作っても葡萄酒を作ってもポルトガルにまさる。しかし、そのまさり方の程度はちがう。小麦は大きくまさるのに対し、葡萄酒のほうは、ちょっとまさるにすぎない。こんな場合、英国は双方の生産力が高いにもかかわらず、小麦を生産してこれを輸出し、ポルトガルから葡萄酒を輸入したほうが得である。他方、ポルトガルのような低生産力国も、葡萄酒の低生産性は小麦ほどではないから、比較的にいえば葡萄酒を生産したほうがよい。葡萄酒を生産してこれを輸出し、英国から小麦を輸入したほうが得をすることになる」▼国際分業をすればどこの国もその恩恵に浴するというのである。それはあくまでも理想でしかなく、アメリカ経済が行き詰まれば、当然のごとく保護主義は台頭してくるのである。ソ連の崩壊を予言した小室は、アメリカの保護主義への回帰をも予言していた。「ある日突然、青天の霹靂のように、自由貿易の中止をつげる〝第二のハル・ノート〟が日本につきつけられるかもしれない。その日、バビロンの栄華を誇る大いなる日本第二帝国は三つに裂け、われわれは大破局の日に会することになる」(『アメリカの逆襲』)。アメリカ次第では日本は重大な危機に直面するのである。

 

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消費税の据え置きと積極的な財政出動を提案したスティグリッツ!

2016年03月17日 | 経済

安倍首相はしたたかな政治家である。国民のためになると思えば、固定観念にとらわれずに大胆な決定をする。アベノミクスにしても、バックボーンを提供したのはノーベル経済学者のスティグリッツであった▼スティグリッツはリベラル派に属する。ブッシュ大統領によって引き起こされたイラク戦争を痛烈に批判した。学問的には情報の非対称性を問題にした。それがネックとなって市場における最適配分が行われないことを証明した。悪徳医者が患者の無知に付け込んで病気にしてしまい、法外な薬代を請求するようなことが起きるのは、情報の非対称性のためなのである。グローバリズムがアメリカの金融界を儲けさせるためのものでしかないのも批判していた▼スティグリッツを招いての「国際金融経済分析会合」の初会合が昨日午前、安倍首相や有力閣僚の出席して首相官邸で開かれた。スティグリッツは来年4月に予定されている消費税10パーセントの引き上げに否定的な意見を述べた。さらに、不況の原因となる需要不足を補うために、積極的な財政出動を提案した▼国際経済をリードする力が日本にはあり、日本に成長を引っ張る模範になることを求めたのである。消費税が5パーセントのままであれば、もっとアベノミクスは成功したとみられている。今こそアクセルを踏む必要がある。間違ってもブレーキを踏むべきではない。消費税の延期ばかりでなく、アベノミクスの第二の矢である財政出動が目玉となるべきなのである。

 

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