民主党が政権をとっても、やっていることは自民党と大差はないから、無血革命なんて大袈裟に言うほどではなかったよね。大風呂敷を広げてしまって、かえって手に負えなくなっているんではないの。そんなことでは、鳩山内閣は長くは続くわけがないよ。変革の原理というのが見当たらないのが一番の問題だと思うよ。マルクス主義は止めを刺されて陳腐になったし。ここぞというときに国民が結束して危機を乗り切る。良いつけ悪いにつけ、そうした情念が見直されてくるんではないのかな。吉本隆明は米沢高専時代に、「帰命」という詩をつくっているんだけど、なぜか身につまされてならないんだよね。
祖国の土や吹きすさぶ風や
人の心の修羅のかげあるも
いまは
おほきみのみ光の下に
いのちかえれ
あそこであんなに苦しんでいる人
どうかかなしい生命の光もて
修羅の行路を泣いてかえれ
戦後、新左翼の教祖にまでなった吉本は、過去の負の部分として引きずっているんだろうけど、そうじゃないよね。日本人の土俗的な心情がこめられており、切なさがこみ上げてくるから。三島由紀夫が『文化防衛論』で書いているように、天皇というのは、秩序の側に手をさしのべていただけではなく、無秩序の側にも手をさしのべていたんじゃないの。桜田門に変に決起した浪士たちは、孝明天皇の大御心を信じていたんだし、二・二六事件の青年将校もそうだったんだよね。日本の政治が混迷すれば、土俗的情念が大きなエネルギーを生むんではないかな。鳩山政権はあくまでも第一幕で、その次が本番じゃないのかな。
祖国の土や吹きすさぶ風や
人の心の修羅のかげあるも
いまは
おほきみのみ光の下に
いのちかえれ
あそこであんなに苦しんでいる人
どうかかなしい生命の光もて
修羅の行路を泣いてかえれ
戦後、新左翼の教祖にまでなった吉本は、過去の負の部分として引きずっているんだろうけど、そうじゃないよね。日本人の土俗的な心情がこめられており、切なさがこみ上げてくるから。三島由紀夫が『文化防衛論』で書いているように、天皇というのは、秩序の側に手をさしのべていただけではなく、無秩序の側にも手をさしのべていたんじゃないの。桜田門に変に決起した浪士たちは、孝明天皇の大御心を信じていたんだし、二・二六事件の青年将校もそうだったんだよね。日本の政治が混迷すれば、土俗的情念が大きなエネルギーを生むんではないかな。鳩山政権はあくまでも第一幕で、その次が本番じゃないのかな。