山本太郎が注目されているのは、立憲民主党や共産党がだらしないからである。今の日本の左翼は緊縮財政にこだわって、新自由主義者と同じく、小さな政府に加担している。国の権限を強化して中央銀行に働きかけ、どんどん紙幣を刷るというのは、もともと社会主義者やリベラル派の主張なのである▼逆に保守派であるはずの安倍内閣が先取りして、アベノミクスでリフレを行い、雇用を改善した。本来であれば、民主党がやるべきであったのに、連合などの労働組合が足を引っ張った。山本はアベノミクスの先を目指しているのであって、左派本来の経済政策を打ち出したいだけなのである▼アゴラあたりが山本を評価するのは、あながち間違ってはいない。そして、山本への危惧というのもあたっている。イタリアのファシズムがそうであったように、当初は社会主義を目指しながら、いつしかムッソリーニは変わったのである。「新選組」という名称にこだわるあたりは、多摩地区の農民を武装化し京都で暴れ回った、近藤勇が率いる試衛館グループを意識したのではないだろうか▼元気のない野党に取って代わる受け皿として、山本は参議院選挙で一定程度のブームは起こすはずだ。ろくな思想がないと思われた山本が剛速球を投げてきたのだから、私たち保守派も安閑としてはいられない。新たな指導者を世に送り出すべきなのである。
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