第一次大戦後のドイツでは、ナチスと共産党が勢力を拡大したが、後者から前者に移った者も多いし、一部は両方の党員になっていた者もいた。激しくナチスや共産党は街頭で衝突しながらも、イデオロギーではなく、心情的には相通じるものがあったのだ。
現状に不満を持つ点においては、まさしく両者は一緒であり、過激な言動も大差がない。そのことを念頭に置けば、日本保守党もれいわも、それほど違いがないように思えてならない。極右と極左は同根なのである。
日本保守党党員によるネットリンチの酷さが問題になっているが、そこまでのことをやってしまうのは、彼らにやり場のない怒りがあるからだろう。それを手っ取り早く解消するのは、犬笛に呼応して騒ぎ立てることなのだろう。
犬笛というのは、犬にしか聞こえないように、日本保守党の党員だけが聞き分けることができるのだ。危惧すべきは、そうした人たちが、かなりの数いることだ。いくら道理を説いても、耳を傾けようとしないのである。
この混乱を収拾させるには、もはや正論を主張しても無駄ではないだろうか。失われた日本を取り戻さなければ、抜本的な解決策にはならないからであり、今求められているのは、日本人の内なるパトリア(原点)の再建ではないだろうか。