映画「二十四の瞳」
『二十四の瞳』は、1954年(昭和29年)に公開された木下惠介監督・脚本、高峰秀子主演による松竹映画。過去に何度も映画とテレビで観ていましたが、久し振りに池袋の新文芸坐で上映されていたのでスクリーンで鑑賞したく観に行きました。
日本が第二次世界大戦を突き進んだ歴史のうねりに、否応なく飲み込まれていく女性教師と生徒たちの苦難と悲劇を通して、戦争の悲壮さを描いた作品であります。1952年(昭和27年)に発表された壺井栄の小説『二十四の瞳』が原作であり、この2年後に映画が公開されたもの。映画のストーリー全編を通して涙の流れが止まりません。
映画の中の高峰秀子が演ずる大石先生を見るたびに、武蔵野第三小学校時代の恩師であった辻田晴子先生を思い出します。小学校教師として赴任して6年目に初めて私たちを卒業生として送り出した時の辻田先生の流す涙が忘れられません。
夫を戦争で失い2人の男の子を育てながら教師の道を歩んできた方です。児童のことを心から思いながら温かい気持のある先生でした。同窓会が開催されると多くの教え子たちが全国から辻田先生に会いに来ておりました。本当の教育者でありました。95才まで生存されていました。映画の内容とダブり感慨深いものがあります。(2020.1.15)