ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.1.4 採血・レントゲン・心エコー、EC5回目中止

2013-01-04 19:45:07 | 治療日記
 2013年の仕事始めは、昨年に引き続き“通院始め”となった。
 昨夜はいつものホテルではなく、思いがけずも病院にほど近い友人宅に泊めて頂くことに。お心遣いに感謝である。
 朝一番で心エコーが予約されている関係で、それより前に採血・レントゲンを済ませておかなければならない。予定していたより若干早めに病院に入ることが出来た。さすがに病院からはお正月モードは感じられない。いつものように沢山の待ち人で溢れている。

 IDカードを通してから採血受付へ。受付開始してまだ10分ほどだが、既に番号札は35番。それでも順調に進んで15分ほどで順番が来た。今日は2本採取。担当してくれたのは臨床検査技師の女性だが、顔に見覚えがある。痛みも殆どなく無事終了した。次は2階に上がってレントゲン撮影。こちらも10分ほどで無事に撮影が完了した。再び1階の生理検査受付へ戻る。心エコーの予約時間まで30分ほどあったが、20分前になったら中待合に入るようにとのこと。読書しながら待つ。プチ虹のサロンのSさんから通院お疲れ様メールが入る。彼女は今日からお仕事開始である。

 予約時間通りに心エコーの部屋から呼ばれる。ベッドに横になってプローブを押し付けられる。左胸には手術の傷痕があるので、圧迫される場所により結構痛む。“痛みスイッチ”が入ってしまわないかとちょっと心配になる。暖房が良く効いた薄暗く静かなベッドでじっと横になって目を瞑っているうちに、なんだかうとうとしてくる。2回ほど姿勢を変えるよう指示されながら、心臓の大きさや動きをチェックして頂き、15分ほどで終了した。

 腫瘍内科受付へ移動する。月初めなので保険証のチェックもある。ここまでで早くも1時間半以上かかっている。自動血圧測定器の結果は101-65、脈拍は93。
 15分ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号ランプが点く。ほどなくして先生が診察室からお顔を出された。
 新年のご挨拶をしてから椅子に座る。「どうでしたか。風邪声ですね。」と言われる。おっしゃるとおり、年末年始は気管支の風邪で、クリニックから処方された薬を1週間服用していた旨報告し、お薬手帳をお見せする。が、風邪を引いた以外は、病気であることを忘れるほど体調良く過ごせたことをお話しする。また、胸痛は痛み止めを飲むほどのものではないこと、今日の心エコーで傷口を押されて圧痛があることも。
 気になる白血球は、3週間お休みをしたおかげで3800、好中球も3割以上。マーカーは前回よりコンマ1ダウンの横ばい。レントゲン撮影の結果は、明らかな腫瘍の増大はなく、変わりなく見える。つまりは1回投与を休んでもECの効果は維持されており、急速な悪化はない、との診断だ。そして心エコーの結果も、数か月前と変わらず異常なし、とのこと。診察室での検温は36度4分。

 では、今日の治療はどうするか、だ。
 先生は「投与してもいいかなとは思うが、悩む感じである。」とのこと。「この後5回目をやって(CT画像を)比較するか、あるいは6回目をやってから比較するか。毎月の胸部レントゲンで大まかな状況は把握しているが、造影CT撮影を行って、8月の治療前と今回治療後の細かい画像診断による効果測定は必要だ。」とおっしゃる。
 「とはいうものの、今回レントゲンもほぼ不変、マーカーも横ばいで、痛みが強くなっている等の症状がないため、今うんと頑張らなければならないという状況ではないのでは。」とも。
 「EC4回という第1目標はクリアしたし、まだ別の薬もある。次回、その薬を使う時に、今頑張りすぎるとやり辛くなるのではないか。」と。そして「副作用の辛さ加減を見ると、ここで頑張らないとどうかなるというわけでもない。副作用の面で大きな問題なく、やる気満々というなら良いが・・・」と。
 そう言われると、この年末年始の体の楽さ加減を思い、「いえ、頑張ってやります!」と言えなくなるだらしない私だ。
 「メリットと副作用の辛さを天秤にかけた時に、1回1回がとてもしんどそうだし、だんだんと副作用に慣れてきている感じもない。今後長く治療を続けていくことを考えると、今が頑張り所ではないように思う。どうしても続ける状況ではないようだ。」と。

 「当初6回を目標としたのに、これで打ち切りにしてしまっていいのか、という不安があります。」と言うと、「当初とは状況も変わっているし、今回、目一杯6回治療すれば、現段階で心臓が問題なしとはいっても、心毒性リスクは間違いなく上がる。今後、ハーセプチンの出番を考えると、心臓が悪くなればそれも出来なくなる。そう考えればECをこれ以上深追いしない方が良いと思う、中止にしましょう。」と。
 「もちろんあと2回投与を続ければ、次の抗がん剤を始めるまでの時間をいくらか先延ばしには出来るだろうが、間違いなくその間の体の状況は違う(体調が悪くなる。)だろうから、今の状況を把握しながら体力温存に努めた方が良いのでは。」とのことだ。

 あわせてゾメタも中止のままでよいかどうか確認し、ランマークの変更についても聞いてみる。「骨転移が増悪しているわけではないので、当分中止で良い。骨転移が悪化している、初めて使うということならランマークでもよいが、今の段階でゾメタで過不足ないなら、変えるメリットはない。ゾメタは3~4週に1度で良いが、ランマークは厳密に4週間に1度の薬なので、他の治療に影響がある。また、国内でも低カルシウム血症で亡くなった患者さんもおられるので、カルシウムを補う治療も始めなければならない。そのため、患者さんにとっては負担が大きくなる治療だ。」とおっしゃる。ランマークもゾメタ同様下顎骨壊死の副作用はある。

 「では、次の手は何を?」と確認すると、「まだ具体的には考えていないが、症状によって考えたい。」とのこと。具体的には「ハーセプチンを優先すれば上乗せでウィークリータキソール、またはハーセプチンをお休みして内服のゼローダとタイケルブ、もしくは、今年中に認可される新しい抗HER2薬のペルツズマブ。ハーセプチンとの併用になるが、どちらも高価な薬なので、しばりは厳しいかもしれないが」とのこと。またホルモン剤を何か使ってみるのも手かとのこと。いずれにせよ、何か変化が起こらなければ判らないので、起こってから考える、起きにくいように手立てを試していくというスタンスを確認する。
 つまり、選択肢として「このまま何もしない(静観する)」「ハーセプチンを再開する」「ダメもとでホルモン剤に戻る」「ハーセプチンとホルモン剤併用」があるというが、「何もしない」という選択肢はほぼない。何らかの治療はする、とのこと。落ち着いているならハーセプチンかホルモン剤単独でも良いかもしれないということだった。

 週明け月曜日に造影CTの予約が入った。そして、結果を訊きに伺うのは再来週の水曜日。なるべく早く結果を見て、方針を立てたいとのことだった。
 こうして丁寧に説明して頂き、納得して診察室を出る。廊下でCT検査の説明を受けた後、化学療法室の看護師さんたちに新年のご挨拶に。「今日も中止になりました。」と。KrさんやOkさんが出てきてくださる。また、針刺し名人Oさんに状況をお話しして「今年もよろしくお願いいたします。」と部屋を後にした。

 そんなわけで、今日も治療中止。ECは4回でひとまず終了だ。軟弱ではあるが、正直ほっとした。まだ年末年始の旅行の疲れも取れない中(これは自業自得です。)、今日治療をしたら結構ダメージが大きいだろうと思っていたので。
 会計を済ませ、薬局に寄ることもなく、本日の病院滞在時間は3時間弱で済んだ。

 ゆっくり昼食を摂りながら帰宅の途に着いた。
 病院の最寄駅は、大きなキャリーケースやお土産袋を抱えた帰省客や旅行客、アリーナで行われたらしいコンサート客の若い人たちでそれはごった返していた。
コメント (2)
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