おなじみの朝日新聞医療サイトアピタルから長尾先生の連載のご紹介。迷った時は休んでもいい・・・これは山あり谷ありの再発治療の極意かもしれないな、と思う。ゴールがない再発治療だ。ずーっと張り詰めて走り続けるだけが治療ではない。もちろん初発治療で徹底的に叩くという場合には休まず一気呵成に、だろうけれど。
※ ※ ※(転載開始)
町医者だから言いたい《998》 迷った時は休んでもいい 抗がん剤の止めどき 長尾和宏 (2013年1月10日)
お正月期間中は、がん専門病院も、さすがにお休みです。2週間毎にしていた抗がん剤が3週間になる方もいます。その患者さんの顔は心なしか、嬉しそうにも見えました。
抗がん剤治療は、たいてい周期的に繰り返されます。ワンクールと呼ばれて、それを何度か繰り返します。もちろん、多少なりとも効果があれば、の話ですが。
効果判定は、画像診断や腫瘍マーカーで行います。画像とは、CTやMRIやエコーでの腫瘍の大きさ。腫瘍マーカーは、たいてい保険の関係で月1回測ります。
2回続けて2割以上下がっていたら、抗がん剤は効いています。はっきり効いているといえなくて、横ばい、のこともあります。いずれにせよ、無効でない限り、抗がん剤治療が続きます。
しかし人間、迷いが生じたり、治療から逃げたくなる時があります。全身倦怠感を何度も繰り返すのがイヤだと言われる方もおられます。そのまま続けるか中止するか、患者と共に迷うこともよくあります。
そんな方には、ちょっと休むことを提案します。株の世界でも言うじゃないか、「休むも相場」だと。そんな訳のわからない説明をすることもあります。
1週間休んで、小旅行に行かれる方もおられます。元気な顔で帰ってきて、また治療を再開する場合も。それはそれで、いいのではと思います。
抗がん剤治療は、やるか中止するか、だけではありません。立ち止まって少し休んでから、また考え直すのも一手です。この正月休みの元気な顔を見て、そんなことを思いました。
(以下略)(転載終了)※ ※ ※
実際に、今、私は50日ほど治療を休んでいる。もちろん主治医と話して、自分自身納得しての休薬である。けれど、一抹の不安が残ることも事実である。だから、このことがどんなことを意味するのか、そのことを判っている人(同病者でも、医療者でも)に「いいんだよ、休んでも。」と言ってほしいのだ。そうして、それが正しい選択だったんだよ、とも言ってほしい。納得して、と言いながら意気地なしのような気もするが・・・。
再発治療に正解はない。初発のようにきちんと「これとこれとこれをやればコンプリート!」というレジメンはない。常に迷いながら、その都度その都度選択し続ける治療だ。それこそ100人100様のオーダーメイド、薬の選択はその人にとってのプライオリティ、生き方によってどんな順番だってありえる。けれど自分がした選択を「それでもいいんだよ。疲れたら休んでいいんだよ。具合悪い時には無理に頑張らなくてもいいんだよ。休んでまた頑張れそうだったら歩き始めればいいんだよ・・・」と言ってもらえることでどれほど心が安らぐだろう。
常に天秤は揺れる。作用と副作用を勘案しながらと言っても、効果測定の面から言えば、今回のEC治療では2カ月続けてマーカーが2割以上の減少するとか、影の縮小はみられない。マーカーは横ばいで画像上は不変、だからはっきりとは効いていると言えない。けれど増悪を止めてくれている、とは言えるだろう。だから無効とは言えない。何とも微妙な状況だ。けれど副作用はこれまでで一二を争うほどかなりキツい。この時どうするか。やはり悩ましい。
このところ、本が読めて、その後、レビューが書けるようになった。ヨガで体を動かしたい、汗をかきたい、とも思うようになった。やはりこの数カ月、具合が悪かったんだな、と思う。とにかく家と職場を往復するだけで精一杯、決してそういう気持ちになれなかったから。
少し休んだら、きっとまた、さあまた始めよう、と思える日が来るだろう、と思いたい。
さて、ようやく週末。昨日に引き続き今日も残業。冷静に考えれば、この2日間はどうしても休めない仕事があるために、10日の投与を4日に前倒し、と調整していた。
だが、実際4日にEC投与を行っていたら、8日までは体調不良で休まなければならなかっただろうし、昨日、今日とグランの注射に行かなければならなかっただろう。それを思えば、今回は無理してEC5回目投与をしないで本当に良かったな、と思う。まあ、結果論だけれど。
職場を出た後、夫と待ち合わせて食事とレイトショーを愉しんだ。例年、息子がスキースクールで不在のこの時期には、仕事の前泊や治療日の前泊等を兼ねて、贅沢ではあるが、夫と都内や通院している病院近くのホテルに1泊して結婚記念日を祝ってきた(去年はフレンチ、一昨年は和食、3年前はチュニジア料理)が、今年は仕事の都合上休みを取ることが出来なかった。
ということで、一足早く結婚記念日を兼ねて地元でデート。結婚した23年前、1月14日は成人式の前日だった。「結婚記念日の翌日は必ずお休み、ということで毎年夜遊びが出来るね~」などと言っていたのだが、いわゆる“取らぬ狸の皮算用”で、ハッピーマンデーになり、全くもってアテが外れてしまった。今年はたまたまハッピーマンデーの成人式でお休みだけれど、お祝いは今夜のデートで終わり。そこでは特に何もお祝いしない予定である。
昨年11月に受講した普通救命講習会についてはこのブログでも記事にしたが、今日「救命技能認定証」を頂いた。水色の小さなカード形式の証明書だが、認定番号と消防総監の角印入りだ。裏面には3年以内に再受講を、とある。また受講出来るといいな、と思う。早速定期入れにしまった。
※ ※ ※(転載開始)
町医者だから言いたい《998》 迷った時は休んでもいい 抗がん剤の止めどき 長尾和宏 (2013年1月10日)
お正月期間中は、がん専門病院も、さすがにお休みです。2週間毎にしていた抗がん剤が3週間になる方もいます。その患者さんの顔は心なしか、嬉しそうにも見えました。
抗がん剤治療は、たいてい周期的に繰り返されます。ワンクールと呼ばれて、それを何度か繰り返します。もちろん、多少なりとも効果があれば、の話ですが。
効果判定は、画像診断や腫瘍マーカーで行います。画像とは、CTやMRIやエコーでの腫瘍の大きさ。腫瘍マーカーは、たいてい保険の関係で月1回測ります。
2回続けて2割以上下がっていたら、抗がん剤は効いています。はっきり効いているといえなくて、横ばい、のこともあります。いずれにせよ、無効でない限り、抗がん剤治療が続きます。
しかし人間、迷いが生じたり、治療から逃げたくなる時があります。全身倦怠感を何度も繰り返すのがイヤだと言われる方もおられます。そのまま続けるか中止するか、患者と共に迷うこともよくあります。
そんな方には、ちょっと休むことを提案します。株の世界でも言うじゃないか、「休むも相場」だと。そんな訳のわからない説明をすることもあります。
1週間休んで、小旅行に行かれる方もおられます。元気な顔で帰ってきて、また治療を再開する場合も。それはそれで、いいのではと思います。
抗がん剤治療は、やるか中止するか、だけではありません。立ち止まって少し休んでから、また考え直すのも一手です。この正月休みの元気な顔を見て、そんなことを思いました。
(以下略)(転載終了)※ ※ ※
実際に、今、私は50日ほど治療を休んでいる。もちろん主治医と話して、自分自身納得しての休薬である。けれど、一抹の不安が残ることも事実である。だから、このことがどんなことを意味するのか、そのことを判っている人(同病者でも、医療者でも)に「いいんだよ、休んでも。」と言ってほしいのだ。そうして、それが正しい選択だったんだよ、とも言ってほしい。納得して、と言いながら意気地なしのような気もするが・・・。
再発治療に正解はない。初発のようにきちんと「これとこれとこれをやればコンプリート!」というレジメンはない。常に迷いながら、その都度その都度選択し続ける治療だ。それこそ100人100様のオーダーメイド、薬の選択はその人にとってのプライオリティ、生き方によってどんな順番だってありえる。けれど自分がした選択を「それでもいいんだよ。疲れたら休んでいいんだよ。具合悪い時には無理に頑張らなくてもいいんだよ。休んでまた頑張れそうだったら歩き始めればいいんだよ・・・」と言ってもらえることでどれほど心が安らぐだろう。
常に天秤は揺れる。作用と副作用を勘案しながらと言っても、効果測定の面から言えば、今回のEC治療では2カ月続けてマーカーが2割以上の減少するとか、影の縮小はみられない。マーカーは横ばいで画像上は不変、だからはっきりとは効いていると言えない。けれど増悪を止めてくれている、とは言えるだろう。だから無効とは言えない。何とも微妙な状況だ。けれど副作用はこれまでで一二を争うほどかなりキツい。この時どうするか。やはり悩ましい。
このところ、本が読めて、その後、レビューが書けるようになった。ヨガで体を動かしたい、汗をかきたい、とも思うようになった。やはりこの数カ月、具合が悪かったんだな、と思う。とにかく家と職場を往復するだけで精一杯、決してそういう気持ちになれなかったから。
少し休んだら、きっとまた、さあまた始めよう、と思える日が来るだろう、と思いたい。
さて、ようやく週末。昨日に引き続き今日も残業。冷静に考えれば、この2日間はどうしても休めない仕事があるために、10日の投与を4日に前倒し、と調整していた。
だが、実際4日にEC投与を行っていたら、8日までは体調不良で休まなければならなかっただろうし、昨日、今日とグランの注射に行かなければならなかっただろう。それを思えば、今回は無理してEC5回目投与をしないで本当に良かったな、と思う。まあ、結果論だけれど。
職場を出た後、夫と待ち合わせて食事とレイトショーを愉しんだ。例年、息子がスキースクールで不在のこの時期には、仕事の前泊や治療日の前泊等を兼ねて、贅沢ではあるが、夫と都内や通院している病院近くのホテルに1泊して結婚記念日を祝ってきた(去年はフレンチ、一昨年は和食、3年前はチュニジア料理)が、今年は仕事の都合上休みを取ることが出来なかった。
ということで、一足早く結婚記念日を兼ねて地元でデート。結婚した23年前、1月14日は成人式の前日だった。「結婚記念日の翌日は必ずお休み、ということで毎年夜遊びが出来るね~」などと言っていたのだが、いわゆる“取らぬ狸の皮算用”で、ハッピーマンデーになり、全くもってアテが外れてしまった。今年はたまたまハッピーマンデーの成人式でお休みだけれど、お祝いは今夜のデートで終わり。そこでは特に何もお祝いしない予定である。
昨年11月に受講した普通救命講習会についてはこのブログでも記事にしたが、今日「救命技能認定証」を頂いた。水色の小さなカード形式の証明書だが、認定番号と消防総監の角印入りだ。裏面には3年以内に再受講を、とある。また受講出来るといいな、と思う。早速定期入れにしまった。