今日から中学・高校通じて5年目にして最後(来年はセンター試験目前だ。)のスキースクールの息子。いつもの登校時間より小一時間、出かけるのが早いという。1人ですんなり起きて出かけてくれれば何の問題もないけれど、久しぶりにお弁当持参で、こちらも気合いを入れて早起き。リクエスト通りのお弁当を用意し、夫も持っていくというので同じものを2人分。
普段は着るものに全く構わない彼としては珍しく、お正月に旅先で買ったコートとマフラーを身に付け、クリスマスプレゼントの靴を履き、誕生日プレゼントの時計をして、本人的には目一杯のお洒落を決めて出かけた。
ほっと腰かけた途端、すぐ舞い戻って来て「自転車の駐輪券を忘れた。」と。何とも人騒がせな奴である。
余談ではあるが、1月生まれの息子にとって、クリスマスからお正月、そして1月末の誕生日までの1カ月間は、それこそお祝いの書き入れ時で重要な季節である。親としては、これらを何とかまとめて少しでも財布の負担を軽くしようと試みるが、彼にしてみれば、この時期だけが収穫期であるため、頑として抵抗の構えを崩していない。世の中、そう甘くはないということを、どこかで知らしめてやらねばなるまいが・・・。
そんなこんなで無事、我が家の台風の目が出かけてくれて、夫婦2人の老境に近い4日間が始まった。
夫が時間通りに出かけてくれて、ようやく1人マイペースでの出勤支度。こんな時間はほぼ1カ月ぶりである。
今夜は帰宅も急がず、手抜きの軽い夕食で・・・と思っていたが、こんな日でもなければそうそう息抜きもできないから、と今晩は自由夕食(夫婦てんでんこ!)にしようと夫から提案があった。有難くそれに従うことにした。そう、今日は母業・妻業とも開店休業である。
定時で職場を出て、1人ふらりとレディースデーで映画を観て帰った。夕飯はベーカリーでサンドイッチを調達。夫は帰宅後、おそらく誰にも気兼ねなく、大音量でジャズコンサートでもやっていることだろうと思いつつ。
さて、これからしばらくの間、年末年始に読んだ本を細々とご紹介していく。昨日に引き続き、今日は2冊目である。
赤染晶子さんの「乙女の密告」(新潮文庫)。
“「アンネの日記」を現代によみがえらせた芥川賞受賞作。黒い噂の広がる外語大で、暗誦に挑む女学生がたどりついた悲劇の少女の「真実」とは-。”という帯。裏表紙には、「ある外国語大学で流れた教授と女学生にまつわる黒い噂。乙女達が騒然とするなか、主人公はスピーチコンテストの課題「アンネの日記」のドイツ語のテキストの暗記に懸命になるが、そこには少女時代に読んだときには気づかなかったアンネの心の叫びが記されていた。」とある。
僅か100頁弱の短編だったが、外語大の女子学生たちという一種独特な雰囲気の中、明けても暮れてもひたすらスピーチのための暗記に努め、次の言葉を忘れてしまうことが何よりも恐怖、という試験前の何とも言えない切羽詰まった気持ちを思い出したせいか、不思議な読後感があった。
早大教授の松永美穂さんが解説されているが、「妄想と脱力。過去と現在。個と集団。いろいろな対立項を通じて、読んでいる自分の立ち位置に鋭い光が当てられる。爽快で奥深い小説だ。」とあるとおりだ。
アンネの日記は、私もご多分に漏れず少女時代に一生懸命読んだ記憶がある。アンネを追い詰めた言葉「アンネ・フランクはユダヤ人です」が今も重くのしかかる。
普段は着るものに全く構わない彼としては珍しく、お正月に旅先で買ったコートとマフラーを身に付け、クリスマスプレゼントの靴を履き、誕生日プレゼントの時計をして、本人的には目一杯のお洒落を決めて出かけた。
ほっと腰かけた途端、すぐ舞い戻って来て「自転車の駐輪券を忘れた。」と。何とも人騒がせな奴である。
余談ではあるが、1月生まれの息子にとって、クリスマスからお正月、そして1月末の誕生日までの1カ月間は、それこそお祝いの書き入れ時で重要な季節である。親としては、これらを何とかまとめて少しでも財布の負担を軽くしようと試みるが、彼にしてみれば、この時期だけが収穫期であるため、頑として抵抗の構えを崩していない。世の中、そう甘くはないということを、どこかで知らしめてやらねばなるまいが・・・。
そんなこんなで無事、我が家の台風の目が出かけてくれて、夫婦2人の老境に近い4日間が始まった。
夫が時間通りに出かけてくれて、ようやく1人マイペースでの出勤支度。こんな時間はほぼ1カ月ぶりである。
今夜は帰宅も急がず、手抜きの軽い夕食で・・・と思っていたが、こんな日でもなければそうそう息抜きもできないから、と今晩は自由夕食(夫婦てんでんこ!)にしようと夫から提案があった。有難くそれに従うことにした。そう、今日は母業・妻業とも開店休業である。
定時で職場を出て、1人ふらりとレディースデーで映画を観て帰った。夕飯はベーカリーでサンドイッチを調達。夫は帰宅後、おそらく誰にも気兼ねなく、大音量でジャズコンサートでもやっていることだろうと思いつつ。
さて、これからしばらくの間、年末年始に読んだ本を細々とご紹介していく。昨日に引き続き、今日は2冊目である。
赤染晶子さんの「乙女の密告」(新潮文庫)。
“「アンネの日記」を現代によみがえらせた芥川賞受賞作。黒い噂の広がる外語大で、暗誦に挑む女学生がたどりついた悲劇の少女の「真実」とは-。”という帯。裏表紙には、「ある外国語大学で流れた教授と女学生にまつわる黒い噂。乙女達が騒然とするなか、主人公はスピーチコンテストの課題「アンネの日記」のドイツ語のテキストの暗記に懸命になるが、そこには少女時代に読んだときには気づかなかったアンネの心の叫びが記されていた。」とある。
僅か100頁弱の短編だったが、外語大の女子学生たちという一種独特な雰囲気の中、明けても暮れてもひたすらスピーチのための暗記に努め、次の言葉を忘れてしまうことが何よりも恐怖、という試験前の何とも言えない切羽詰まった気持ちを思い出したせいか、不思議な読後感があった。
早大教授の松永美穂さんが解説されているが、「妄想と脱力。過去と現在。個と集団。いろいろな対立項を通じて、読んでいる自分の立ち位置に鋭い光が当てられる。爽快で奥深い小説だ。」とあるとおりだ。
アンネの日記は、私もご多分に漏れず少女時代に一生懸命読んだ記憶がある。アンネを追い詰めた言葉「アンネ・フランクはユダヤ人です」が今も重くのしかかる。