ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.1.16 フェソロデックス1回目

2013-01-16 19:37:17 | 治療日記
 今日は、先週撮影した造影CT検査の結果を訊きに行く日。
 一昨日の雪はいまだ溶けず、すっかりアイスバーンと化している。今日は診察だけだからそれほど時間はかからないつもりだったが、とりあえずたっぷり余裕をもって家を出た。

 慎重に駅まで歩く。案の定電車が遅れている様子だ。早朝点検のために30分ほど遅延が生じているというアナウンス。ちょうど停まっていた電車に乗り込むが、いつ発車するやら、といった状態だった。結局、20分ほどしてようやく発車。乗換駅でJRの始発に乗ってゆっくり座っていこうと考えていたが、全く目論見が崩れてしまった。それでも乗り換え後、ラッキーにもすんなり席を確保することが出来た。読書に勤しむ。面白くてのめり込んでしまう。

 病院最寄駅近くも日陰にはまだまだ雪が残っていた。特に病院の手前の橋の上はかなり危ない状態で、年配の方たちが皆こわごわ歩いていた。
 IDカードを通してからそのまま腫瘍内科受付へ移動する。いつもより1時間ほど到着が遅れてしまった。が、今日は予約時間が思いのほか遅かったことに気付く。早く来すぎたということか・・・・。自動血圧測定器の結果は104-62、脈拍は86。
 それから待つこと1時間半以上。読書は進むが、だんだん待ちくたびれてきた頃ようやく“中待合へどうぞ”の番号ランプが点く。それからもかなり時間がかかる。途中、化学療法室の針刺し名人Oさんが出ていらして、「体調はどうですか。」と声をかけて下さる。有難い。「おかげさまで元気です。」とお答えする。先生が診察室からお顔を出され、名前を呼んで頂いたのはそれから小一時間後。
 「さて、どうでしたか。」と問われ、「おかげさまで元気です。なんとなく胸部の圧痛はありますが、いつもの感じです。12日に久しぶりにロキソニンを飲みました。」とご報告。「風邪も治ったようですね。」と。診察室での検温は6度3分。

 さて、前回と今回のCTの画像が、既にPC画面に並んで出ている。結論から言えば「小さくなっている傾向は明らか」とのこと。細かく説明して頂くと、左右にあった大きな丸い影が一回り小さくなっているのが一番の目立った結果だという。そのほか、腫瘍茎もやや細くなっている。その他の小さな影は見た目あまり変わっていなかったが、腫瘍茎を輪切りにしたときの上下の長さも6スライス分が5スライス分になっているとのこと。「(あの辛かった)EC治療の甲斐はあったということですね。」と思わず念押しして先生を頷かせてしまう。
 胸骨は相変わらず真っ黒だが、変化なし。一つ気になるのは左の腸骨(骨盤あたり)の影だという。だが、これは前回の画像にもあったようで(・・・知らなかった。)可能性はあるが何ともよくわからないとのこと。総括すれば肺の複数の影が小さくなり、新しく出来ていない、もしくは不変という判定だ。

 そして、これからの治療をどうするか。
 月1回レントゲン撮影と腫瘍マーカーを見ながら治療を休みにするということも出来るが、一番順当なのは、これらのチェックをしながらゾメタを再開する。もっとも順当ではないのが、折角だから、また別の抗がん剤をすかさずやる、これはお勧めしない。そして、その中庸として別のホルモン剤を使うことが考えられる。ただしこれまでにノルバデックス、フェマーラ、アロマシン、ヒスロンH、フェアストンと使ってきている。フェソロデックス注射はどうか。タモキシフェンの改良型で+αの効果がある。ただ、細胞にホルモン依存性が喪失されていると効果がない。が、これはわからないし、確認することはできない。
 何もしないのが心配ということなら、抗がん剤をやるよりはずっと妥当だと思う。とのことだった。

 ホルモン剤に戻るなら、また内服薬を飲むのかと思っていた。いつだったか、フェソロデックスが認可されたとき=ナベルビンを使っている頃だったと思うが=それを意識して、注射のホルモン剤はどうですか、と訊いた記憶があり、その時、先生は首を縦に振られなかった。が、今回、この薬が登場してきてちょっとびっくりする。その場で「フェソロデックス治療ガイドQ&A」という小冊子を頂く。ざっと見たところ副作用はそれほど心配するほどではなさそうだ。お尻に2本の注射で結構痛いという情報だけは知っていたが・・・。

 なんといっても私は小心者なので、無治療では落ち着かない。「では、注射+ゾメタで行きます。」とお答えする。フェソロデックスは2週間毎を3回続けた後、4週間毎になる。ゾメタ再開と同時にしないで、まずフェソロデックスを先にということになった。今日はまさか出来ないだろうと思って返事をしたのだが、「では、今日からやりましょうか。」と薬剤部にすぐに電話をしてくださる。この薬は閉経後に適応のものだが、前回3年前の検査で閉経状態ということを確認し、その後、生理もないようなので問題ないでしょう、とのこと。確かにナベルビン治療前はまだ微妙なところだったのかもしれない、と思い直す。
 早速、今日の注射の後、2週間後の診察の予約が入る。さらに4週間後からはゾメタ開始で、うまくいけば、これから暫くは4週間毎の通院で済むことになる。

 ご挨拶をして診察室を後にし、化学療法室へ移動する。Okさんが出ていらして、一緒に治療ガイドを読みあわせする。「随分決断が早かったですね。ベッドが空き次第、ご案内します。」と言われる。確かにあれよあれよという展開である。
 心配しているだろう夫にメールで知らせる。

 
 Okさんがお尻の両側(中臀筋)に1本ずつ計2本の筋肉注射。1本あたり1分半から2分かけてゆっくり投与される。針が刺される時は殆ど痛まないが、薬液がゆっくり入ってくるうちにずしりと重苦しい痛みが続く。長い。だんだん怠さも加わってきた。
 終了後、血圧を測ると119-74。私にしてはかなり高め。やはりちょっと緊張したということだろう。それにしても、お尻に注射というのは、記憶にある限り赤ちゃんの頃以来ではないだろうか。「悪いことをしたら、お尻に注射してもらいますよ!」というイメージである。先生は、お尻には肉があるから腕よりは痛くないですよ、とおっしゃるけれど・・・。
 
 これにて本日は終了。受付で会計を依頼し、自動支払機へ移動する。いやはや新しい薬は本当に高価だ。1回2本で10万円を超える。3割負担でも3万円以上だ。それでも、これから効果測定をする迄暫くの間は抗がん剤から逃れられるのだ、少なくとも一番の繁忙期の年度末の間、薬のチェンジはないだろうと思うと、何のこれしき・・・という気持ちだろうか。会計を済ませ、薬局に寄ることもなく、本日の病院滞在時間は4時間弱。

 ゆっくり昼食を摂り、読みかけの本を読み終えてから帰宅の途に着いた。本当に日が長くなってきて嬉しい。大分雪も溶けて歩きやすくなっていた。

 帰宅すると今年初めてのお花が届いていた。ピンクが2本、黄色が2本、赤と黄色のミックスのチューリップが2本、濃いピンクのスイートピーが2本。それにレザーファンの葉。花言葉はそれぞれ「恋の宣言」、「青春の喜び」だという。一足飛びに春がやってきた気分だ。
 ちなみに今日のお花の紹介文から「チューリップの花びらは実は3枚です。外側の3枚は“がく”です。」とのこと。いくつになっても知らないことは多いものである。
コメント (3)
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