昨日のうちに家事を済ませたので、今日は午前午後と自分の用事だけ済ませればよい幸せな日。まだスッキリ痛みがなくなっているわけでないし、気圧の変化も激しいのでちょっとこわごわ出かけることになった。
今日もいつもより寝坊をして、月1回のWさんのサロンで至福のマッサージの日だ。曇天だけれど、とにかく高湿度。じわじわと汗が滲んでくる感じ。午後お天気は雨かもしれないと不安定なようだ。
今日は午後からこんなお愉しみがあるんですよ、とWさんにお話しする。
先日、ASHAREさんの瞑想ヨーガクラスのランチ会で、昨日と今日開催されるCNJ2018(ジャパンキャンサーフォーラム2018)に展示ブースを出すと伺った。昨年のフォーラムでLAVENDER RINGのMAKE UP&PHOTOにスタッフの方々が参加され、とても素敵だったとのこと。今年も募集があるから予約されてみれば、とのことだった。
「がんになってもいきいきと暮らす人がたくさんいる」。がんへの偏見や誤解をなくすべく企画されたというプログラムは、資生堂さんのスタッフがメイキャップとヘアメイクを施し、プロカメラマンが撮影。その場でポスターに仕上げてプレゼントしてくださるというもの。HPを拝見すると、ASHARE代表のHさんやAさんが女優さんさながらの素敵な笑顔で写っておられた。これは、と思って(なんでもやってみたい病と夫には言われるが)応募してみた。その結果、今日の午後おいでくださいと連絡が届いたのだ。
今日は何があってもいかねば、と思っていたが、ちょうどWさんのサロンでマッサージして頂けるし、木曜日にカットにも出かけたばかりだし、コンディションとしてはいいタイミングである。念のため痛み止めもしっかり持って出かけた。
Wさんにはいつものとおりゴッドハンドで頭から手先もすっかりケアして頂き、施術中はウトウトとリラックス。顔色もいいし、ツヤもハリもありますよ、次回是非見せてくださいね、と言って頂き、背中を押して頂いた。
駅ナカで軽食を済ませ、予定より1台早い準特急に乗り、地下鉄に乗り換えて会場へと急いだ。今回は全てのがんが対象で、参加者無料、予約不要、どなたでも参加可能というイベントなので、お天気はぱっとしないのに凄い人出だ。
まずはラベンダーリングプロジェクトの受付場所を確認し、既に写真を撮った方のポスターを拝見しつつ、展示ブースに進んでASHAREさんにご挨拶に。Hさんはちょうどお食事中ということだったけれど、ヨーガクラスにも参加されたことのあるスタッフの方が立っておられた。クラスのチラシを置いてくださっていて、嬉し恥ずかしである。素敵なアロマの手作りグッズが並んでおり、帰りに買わせて頂くことにしてティーコージーやアロマのシューキーパー、ハーブティ等をお取り置きして頂いた。まだ少し時間があったので、ブースをふらふらしながら、セミナー会場で「がんゲノム医療」の講演を少しだけ聴かせて頂く。
予約時間の5分前に受付に戻り、まずは肖像権同意書や最初のアンケート等に記入。そして今日メイクをしてくださるYさんが来てくださる。沢山の化粧品が並んだ椅子に通され「サバイバーになってからどんな毎日を送っているのか伺いながら、お一人おひとりの美しさを最大限に引き出すメイクを行います。」のステップ1である。
治療のために2度脱毛しており、眉毛も睫毛も脱毛のそのダメージが残っていること、加齢もあるけれど、顔色はくすんでいるし、シミも沢山になってしまった。そして手先の黒ずみもささくれも酷いというお悩みも全てお披露目。
ラベンダーリングという名称どおり、写真の背景の色は私の大好きなラベンダーカラーだ。そんなことをお話しながら、殆ど生えていない睫毛をビューラーでアップし、マスカラやアイラインを入れると目チカラが戻ってくる感じ。ポワポワの眉も不自然にならない感じで優しく整えてくださる。ラベンダーとアイシャドーやローズのチーク、リップで上品でふんわりした感じのメイクに仕上がった。思うに、人からフルメイク等して頂いたのは結婚式の披露宴以来ではないか。ASHAREのHさんがいつの間にかそばにいらしていて写真を撮ってくださっており、これまたびっくり。
その後はヘアセット。2度も脱毛して髪のボリュームがなくなっているのでボリュームがアップするような感じで、とお願いすると、スッキリ額を出して(かつらを被っていた時に目印にしていた生え際の黒子もくっきり見えるほど)逆毛を立てつつ、エアリーな感じにあっという間に仕上げてくださった。
周りではお母さんと一緒に撮影するチビッコもお洒落をして嬉しそう。浴衣あり、フラの衣装あり、様々で賑やかだ。
何か頑張っていること、好きなことにまつわる小道具を持ってきてくださいという事前の連絡があったので、楽譜とガネーシャの像を持参したのだけれど、2つ持つのはちょっと厳しいらしく、あらゆる困難を取り除いてくれる私の守護神であるガネーシャ像に一緒に写ってもらうことにした。
さすがにプロのカメラマン。おだてる(!?)のがお上手で、恥ずかしい~と引きつりながら笑っているうちにどんどん撮ってくださって、次第に表情が柔らかくなった。そして出来上がったのは、目じりの皺も気にせず大口を開けて大笑い、の写真である。メイクのYさんによると、いつも化粧品のモデルさんを撮っておられる方で、自分たちも撮ってほしいくらいくらい、とてもお上手で素晴らしい方とのこと。なんとラッキーなことか。
ガネーシャ像の持ち方を変えたり、一度手放して手を組んでみたり、何ポーズか撮って無事終了。カメラマンさんと一緒にどれがいいか、と写真選択タイム。やはりガネーシャと一緒のものがいいかな、と意見が一致してステップ2は終了。
次に、選んだ写真にサバイバーが今一番打ち込んでいることを書き込んだ画用紙をデザイナーがレイアウトしてくださり、世界に一枚だけのポスターが仕上がるのがステップ3。あらかじめ(英語で)考えて来てくださいね、というお話だったので、「私らしくいる」と書いて、楽譜が持てなかった分♪で飾りをつけてみた。こうして打ち込んでいることを自筆で確認すると、改めて宣言にもなる、とのこと。
ポスターが仕上がるまで15分ほどかかるとのことで、その間はインタビューをお受けすることにした。別室で、Nさんというインタビュアーと撮影者のお2人。がんになって思ったこと、2人に一人ががんになる時代に伝えたいこと、等々聞かれるがまま、好きなだけお応えしてきた。ちょっと図々しかったかしら。まあ13年半も患者をやっていればあまり繊細では身や心が持ちませんが。
インタビューの後、ASHAREさんのブースに戻ってご挨拶し、ハンドメイドの品を買い求め、写真を受け取りに受付まで戻った。
既にポスターになった写真が会場に貼りだされていた。恥ずかしいけれど、今を精一杯生きているいい記念になった。これがステップ4。周囲の方たち、社会がサバイバーの行動に気づくきっかけになり、勇気づけられ、笑顔の輪が広がっていくという。
自分のポスターの前で、メイクを担当してくださったYさんとツーショットを撮って頂き、出来上がったポスターを頂戴し、大満足で会場を後にした。
こうして綺麗にして頂き、がんとともに共存していくためにアピアランスケアは本当に大切だと実感した。最初に訪れた時と綺麗にメイクを済ませて頂いた後は、テンションの上がり方が全く違う。綺麗にして頂けると痛みも和らぐんだな、そんなこともビフォー・アフターのアンケートで思った。そう、いつだったかのセミナーでお目にかかった美容ジャーナリストの山崎さん(闘病記「『キレイに治す乳がん』宣言!」にミーハー宜しくサインを頂いたことがある)に再会し、ご挨拶出来たのも嬉しかった。
彼女も昨年、真っ先にモデルになって向日葵のような笑顔を振りまいておられたが、今日もその大きなポスターが貼られていた。
こうした活動は全てボランティアとのこと。休日返上でこうした社会貢献をしている資生堂さんにも頭が下がる。
さすがに体調万全でない中、2日間にわたって一人で都心を往復したので疲れていないと言えば嘘になるが、充実し過ぎたくらいの土日だった。
ちょうど休日最初のライナーに目の前で行かれてしまいそうな時間だったので、次の準特急に座って帰宅出来た。
途中、お盆のお花を買い求めて、帰宅。すっかり夫頼みで夕飯もお任せ。
来週は息子も帰ってきて、週末からは旅行である。それまでにきちんと体調を復調させなければ。