夫のこと。なんといっても忘れ物大王である。
そのエピソードについては彼の名誉を傷つけない程度に、脚色せずに事実だけをこのブログでも何度かご紹介してきている。
例えばそれは網棚にあげたショルダーバッグ(買ったばかりのデジカメやアーミーナイフ等が入っていた・・・当然出てこなかった。)であったり、新幹線のチケットであったり(これは自分が持っていたショルダーバッグの別のポケットから見つかった。それに気づかず乗換駅で折り返し、自宅までタクシーで1往復半した。当然指定席を取った乗るべき新幹線には間に合わず、自由席で行く羽目になった。)、チェックアウトした時にホテルの部屋に置き忘れたスマホ(これは本人が持っていないことに気づかず、私が鳴らし続けたところ、忘れたホテルのフロントから折り返しの連絡があった。)、だったりする。
一番大きなものは、宿泊先に持っていかねばならないキャリーケースを途中下車駅のコインロッカーに預け、取り出すことを忘れたまま目的地に向かった(さすがに乗り継ぎ駅で気づいて再び戻ってピックアップした。)、なんて私にはちょっと理解不能なレベルのものまである。
この血は幸か不幸か息子にも色濃く引き継がれており、忘れ物大王ジュニアの忘れ物についても幼少の頃から私のフォローが多々必要であった。今は独立したので、見ぬもの清し、で彼がどのくらい忘れ物大王ジュニアとして君臨しているのか知る由もない。
さて、忘れ物大王である夫には、必ず毎朝出がけに「忘れ物はない?財布は?定期は?スマホは?」と3点セットで訊く。「大丈夫」と言って出ていくが、3回に1度は戻ってくる。スマホが充電器に刺さったままだったり、財布が棚に置きっぱなしだったり、である。
もはや殆ど驚かない。スマホは忘れてもお財布ケータイにしているわけではないし、一番傷が少ないのだろう。お財布を忘れたらお昼代をどなたかにお借りしなければならない。定期を忘れたら、往復自腹で交通費を出さなければならない。だから後者の2つを忘れれば、大抵は戻ってきて出直すことになる。
家から忘れて出ていくだけでなく、職場にスマホを置いてくることも、ある。先日は職場の最寄り駅まで行ったところで気づいて、電話で職場の方に机の上に出しっぱなしであることを確認して頂いて、引き出しの中に入れておいてほしいとお願いしたそうだ。
帰宅後、夫がスマホを持っていないことに気づき、スマホはどうしたの、と訊くと「今日は職場にショートステイしている」とのこと。うまいことを言うものである。
そして今朝もちゃんと確認した筈なのに私が出かける時、リビングで充電器に差したまま緑のランプが点灯している夫のスマホが鎮座ましましているのに気付いた。
ご不便でしょうと連絡したら、「今日は文字通りステイホームです」とのこと。へこたれない大王である。
というわけで夫のスマホは夫以上に忙しく、ステイホームだったりショートステイに出かけていたりする。
今日はちゃんと本人が携帯しているのだろうか、とふと気になったりするクリスマス・イヴの宵である。