ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.6.25 エンハーツ42クール目 さらに減量38回目投与後4日目のこと 本日も籠城蟄居、うとうとうとうと

2023-06-25 22:24:16 | 日記
 昨夜はブログアップ後、昨秋北海道を訪れた時に買い求めたハッカ油をお風呂に入れた。ミントの香りがとても濃くて、湯上りはさっぱり気持ち良かった。
 夫は引き続きリビングにて寝てくれる。寝付いたのは1時半過ぎ位だったか。だましだまし使っていたCDプレイヤーのボリュームがMAXに暴走して止まらなくなってしまった。買い替えろということか。

 明け方4時過ぎにお手洗いで目が覚める。目が覚めるといきなり気持ち悪いので、寝付けない。3時間に満たない睡眠時間だ。
 なんとなくウトウトしたかな、と思ったらいつも通りの目覚ましに起こされる。そして日曜日仕様のスマホラームが鳴った。
 2人の声がするのでリビングへ。朝食を始めていた所だった。パジャマやタオルを剥がさせてもらって洗濯機を廻す。
 食欲は全くない。ひとまず2人の食事が終わった所で仕上がった洗濯物を夫に手伝ってもらって干す。晴れてはいないが適度に風があって乾きそうだ。

 息子はランチ会食に間に合うように、昨日受け取りし損ねたズボンの受け取りに開店と同時のリフォーム店に出かけた。帰宅してとんぼ返りで出かけないと約束の時間に間に合わない。

 洗濯物を干しただけで、草臥れてがっくり。胃が痛いが、何が食べたいのか、わからない。ナウゼリンを、ピンクグレープフルーツをブレンダーにかけたジュースで飲む。小さいグラス半分。バタースティックパンを1本とバナナ、シナノゴールド、桃を1かけずつ。青いヨーグルトは買い物に行けず、切らしてしまった。
 なんとかイメンド80㎎1錠を午前中に飲めた。その他、朝食後の薬は、遅発性制吐剤のカイトリル1錠と、疲労止めエルカルチン2錠、デカドロン0.5㎎を4錠で8錠。さらにいつものミヤとタケプロンで10錠。食前の吐き気止めを入れると11錠。イメンドとデカドロンは今期終了だ。デカドロンのおかげで今日も顔は浮腫んで火照った感じがあるが、熱は平熱だし、SpO2も平常。

 暑い暑いと言って帰ってきて、補修してもらったズボンを穿き、息子は出かけた。いるとずっと喋っているので、いなくなると途端に家の中は静かだ。ソファに一体化するといきなり眠くなる。ひたすらウトウトウトウトのしっぱなしである。

 夫は午後、散歩に行ってくると出かけた。気づけば2時を回っていた。洗濯物が乾いていたので、取り込んでゆっくり畳む。何をするにも「よし」と気合をかけないと動けない。だるくて眠いので、お手洗いに起きるのも面倒でついつい我慢してしまう。腎臓に申し訳ない。
 洗濯物を畳み終えたら、なんとなくお腹が空いた気がしたので、朝の残りの果物とバニラアイスクリームをお腹に入れた。昼食後の薬は飲めず。

 PC前で少しメールチェックしたらまたぐったり。リビングに戻るとソファに座っていられなくて、すぐに横になって一体化。いつのまにかまた寝てしまう。

 ウトウトしながら録画した映画を1本。昨日観た「はい、泳げません」は途中眠気のため、かなり長時間ぶっ飛んでしまい、巻き戻してまでは観なかったが、今日の「川っぺりムコリッタ」は途中で帰ってきた夫ととりあえず最後まで観られた。
 ムコリッタは仏教用語・牟呼栗多(むこりった)で、1日の30分の1、48分の意味だという。これはSさんの瞑想ヨーガのガイドで登場する“瞑想を48分出来るようになったらいいね”というインドの時間単位“ムフールタ”と同じである。通じているのだな、と思った。

 お手洗いで立ち上がったついでにトイレの棚の中の断捨離を少し。蓋カバーやら衛生用品やらもう使わないものが入っていた。大した量ではないけれど、そのまま処分。Mさんに体調不良でこれだけですが、と報告LINEすると、「処分する量が問題ではなく、出来る時に出来ることをやるという断捨離筋が鍛えられているようですね、見習いたいです」と言って頂く。

 夫はラーメン屋さんでお昼を摂った後、喫茶店をお茶をしてきたそうな。ラーメンと聞けば美味しそうだなと思うが、だからといって出てきたら食べられる自信がない。
青いヨーグルトが切れているので、買いに行けばよいのだが、起きて出かける元気はさっぱりない。夫にお願いしてスーパーに行ってもらった。

 一人になるとまたしてもウトウトウトウト寝てしまう。
 夫は一人で食事を作って黙々と食べていた。お米だけは研いでおいたけれど、昨日自分用に作ったままだったサラダも食べられず廃棄処分。夫が食事を終えたところで、のそのそとレトルトカレーを流し込んで夜の薬を飲んだ。

 母にMeet通話でご機嫌伺い。午前中は片付けものをしたが、暑かったので午後は何もせずじまいだったそうな。アイソトニック飲料は飲んでいるということなので、信じるしかない。
 こちらは籠城蟄居でただただゴロゴロなので、暑いのかどうなのかも分からない始末。
 水分がろくに摂れていないわりにはお手洗いに行く回数が多いのはなぜだろう。

 今日も、寝室を出てからはリビングとキッチンとお手洗いを行き来したのみ。外に出たのはベランダで洗濯物を出し入れした時だけ。日曜日だから、新聞も郵便も届かない。階下のポストにも行かなかった。起きていられたのは僅か数時間。
 昨夜も今日も排便なし。明日だめなら前回使わずに済んだ腸を刺激する液状の薬と酸化マグネシウムをセットで飲んでみるか・・・。
 
 明日は月曜日。6月も残り1週間となった。週末はもう7月だというのに、文通相手のIちゃんへの手紙の返事を書く元気もない。
 夫は休務、息子は出勤。断捨離もまた少しでも再開しなければ、と思うのだけれど。
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2023.6.24 エンハーツ42クール目 さらに減量38回目投与後3日目のこと ソファと一体化の合間に直感で断捨離!

2023-06-24 22:14:42 | 断捨離

 昨夜は一番先にレモングラスとレモンピールの入浴剤を入れてお風呂に浸かった。夫は連続でリビングでの就寝を引き受けてくれた。かたじけない。赤いドリンクヨーグルトで夜の薬を飲み、吐き気止めオイルでマッサージを済ませ、ノロノロベッドに入る。

 今朝はいつもの時間に目覚ましが鳴り、土曜使用のスマホアラームを消して寝たら、二度寝をしてしまい、朝ドラ復習編が終わっていた。嗚呼。その後は、気持ち悪くてウトウト。なかなか起き上がれない。

 ノロノロ起きてリビングに行ったら2人は朝食が終わっていた。胃は重いけれど、食欲がない。お腹に入れられたのは佐藤錦2粒とゴールデンキウイ、りんごを1かけ。青いアロエヨーグルトで薬を飲みこんだ。水分が摂れなかった。
 今朝からは、ミヤBM錠とタケプロンに、朝食後吐き気止めカイトリルと毎食後疲労止めのエルカルチン2錠が追加。今日、明日はイメンド80㎎とデカドロン0.5㎎を4錠で2㎎(昨日までの半分量)だ。デカドロンはとても小さいので落としそう。全部で10錠。

 息子は珍しく土曜日の午前中在宅なので、部屋の片づけをするように夫に言われていた。
 明日のランチ会に着ていくスーツのズボンのウエストがきついようで、夫がリフォームに持って行ったら午後には仕上がるとのこと。素晴らしい。息子は午後から出かけるというので今日の帰りにピックアップしてくれば間に合うわけだ。

 ここでソファと一体化してしまうと一日寝たきりなのが自明の理なので、思い切って、食器棚の断捨離を。夫も手伝ってくれるようなので一気に。今は息子が同居中だし、予備も含めて食器やお皿類を4組残しているが、夫と2人になったら2枚に減らすつもりだ。今日は5枚以上のセットものや殆ど使っていない茶器等を全て処分。結婚祝で頂いたウエッジウッドのティーカップやデミタス、引き出物等も処分。思えば30年モノだ。これだけ処分してもなかなかスッキリしないけれど、ごみ袋2つ分出せた。それにしても使った記憶がないものが沢山あって苦笑する。
 気持ち悪くて頭がぼーっとしているので、トレーナーのMさんにLINE報告のビフォー・アフターの写真が順序立てて上手く送れなくい。間違って送って削除したり、と申し訳なかった。

 ソファでウトウトしていると、お手洗いに起きるのもついつい我慢してしまう。頑張って立ち上がったついでに、グラス類の棚の中も処分。気分が悪いとじっくり吟味出来ないので、直感で処分出来るようです、と報告したら、「直感は過たない」というとのコメントがあった。なるほど、間違っていないのだと納得する。

 2人はお蕎麦やカップ麺でランチを摂っていたが、私は一人でソファと一体化。午後、息子は明日のお使い物の買い出しに都心まで、夫はクリーニング屋さんに出かけた。さすがに朝食が果物をちょっぴりだけだったので、胃が痛くなり、ワンパターンの冷凍担々麺をお腹に入れて、羅漢果茶少々でミヤBM錠とエルカルチンを飲んだ。食後は抹茶のアイスクリーム。

 夫にジムはどうするのと訊くと、今日はプールで泳いでこようかなとのことだったが、ゴーグルと帽子がないので、ダメだったらしく、いつも通りにしたようだった。

 2人が不在の間、録画した邦画をウトウト見ながら途中がどーんと飛んでいた。ついつい我慢してしまうお手洗いに立ち上がったたついでにお箸やフォーク、スプーン等も大分減らした。ごみ袋が開いているとポンポン入れられるようだ。
 
 夕食の支度は夫に任せて何もせず、一人でソファでゴロゴロ。息子は、帰路リフォーム屋さんに立ち寄ったらすでにクローズしていて受け取れなかったそうな。明日開店と同時に受け取って出かけるという。お疲れ様なことである。

 昨日はうさぎさん便に加えて普通便が排出出来たので優秀だったが、今日はお通じの気配なく便秘。水分不足だから当然だ。その割にお手洗いの回数はそれほど減っていないが、尿の色は昨日より大分濃い。

 母にMeet通話。今日もマッサージに行ってきたそうだ。気持ち良かったけれど、ちょっと疲れたそうな。代謝が良くなるからだろう。洗濯も2回したという。
挟んだ指の青痣は大分目立たなくなり腫れも退いているように見えたが、まだ指輪は外せないらしい。それにしても骨どころか指切断なんて悪夢にならないで本当に良かったね、と息子。実に。

 2人の夕食が済んだところで、ご飯を一口フリカケをかけて流し込んだ。金目鯛のお刺身を2切れと黒豆を1粒、イブリガッコを1切れ。水分はなし。夕食後の薬は果たして何で飲み下したのだったか。

 籠城蟄居の土曜日だったけれど、断捨離が少し出来たので可としよう。家でゴロゴロしただけだったので涼しく感じたけれど、最高気温は30度近くあったようだ。洗濯もせず、炊事もしなかった。昨日一昨日は夕食を作ったのに、今日は夫に甘えてしまった。
 顔が浮腫んで、頭はぼーっとしている。お腹はグルングルン、口の中も苦くて気持ち悪い。明日は洗濯くらいはしたいけれど・・・。

 さて、体調悪い、の話ばかりなので、少し別の話題を。
いつも拝読している読売新聞連載、高野先生の最新号になるほど、と思ったので、下記転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」(2023年6月22日)
 がん患者にとっての「幸せ」ってなんですか?

 「医療は人間の幸せのためにある」
 これは、医師を志したときからの私の信念です。
 「幸せ」について、コラムで書いたり、講演で話したりすると、「『幸せ』ってなんですか?」という質問をいただくことがあります。
 でも、これがあなたの目指すべき「幸せ」ですよ、と答えられるようなものではありません。「幸せ」は、自然に感じるものであって、その形、内容、感じ方は、千差万別です。一人ひとりに、その人なりの「幸せ」がある、というのが回答になるでしょうか。

「生存期間」「QOL」で決まるのが標準治療
 「幸せ」は、医療が目指す究極の目標ですが、実際に目指すゴールは、患者さんごとに様々で、そこに至る道のりも、一人ひとりで全く違います。標準治療を一律に当てはめればたどりつくという目標ではありません。
 標準治療は、最善の結果が得られる可能性が高い治療として確立していますが、「最善の結果」を客観的に評価するためには、「評価項目」を設定する必要があります。がんの臨床試験でよく用いられる「評価項目」は、「 奏効そうこう 率(がんが縮小する確率)」「生存期間」「生活の質(QOL)」などです。
 このうち、「生存期間」や「QOL」は、その改善自体が患者さんの利益と言えるので、「真の評価項目」と呼ばれます。
 真の評価項目である「生存期間」や「QOL」が最もよくなる治療が、標準治療となります。標準治療によって得られるのは、「最大多数の最大幸福」です。できるだけ多くの患者さんに、できるだけよい結果をもたらすということですが、このフレーズに出てくる「幸福」は、数値で評価できる「よい結果」を意味しています。

本当の「幸せ」は一人ひとり違う
 本当の「幸せ」は数値で表すのは困難ですし、もし「幸せ」を測るモノサシがあったとしても、そのモノサシ自体が一人ひとりで異なりますので、一律の評価はできません。私は、この「幸せ」こそが「真の評価項目」よりも重要な「究極の評価項目」だと思っています。ただ、「究極の評価項目」は客観的には測れないものですので、臨床試験では使えません。
 「最大多数の最大幸福」を目指す考え方は、「エビデンス・ベースド・メディシン(EBM)」として医療現場に浸透しています。私は、EBMを実践しつつ、さらに「一人ひとりの、その人なりの幸せ」を目指す、「ヒューマン・ベースド・メディシン(HBM)」が重要だと考えています。
 抗がん剤治療を行うときも、痛み止めを処方するときも、採血検査を行うときも、それが目の前の患者さんの幸せにつながるのかどうかを第一に考えます。標準治療だから、教科書に書いてあるから、みんなやっているから、といった理由で、それをやるのが当然とは決めつけず、すべての医療行為について「目の前の患者さんの幸せ」を軸に判断するようにしています。
 治療方針に迷ったときには、患者さんと話し合いながら、患者さんの幸せにつながるのはどの選択肢なのかを考えます。

「あなたが大切にしているものは?」
 医療者が勝手に「患者さんの幸せ」を想像して治療方針を決めることはできませんので、「幸せ」を軸に判断するためには患者さんとの語り合いが欠かせません。
 ただ、患者さんに「あなたにとっての『幸せ』は何ですか?」と尋ねたりはしません。実のところ、診察室で「幸せ」という言葉を私の方から使うことはあまりありません。
 自分にとっての「幸せ」が何かなんて、ふだんあまり考えていないという方が多いでしょうし、それでもよいのだと思っています。あまり意識することなく、自然に感じているのが「幸せ」というもので、あえて言葉にしなくても、そのままの幸せを感じながら過ごしてほしいというのが、私の願いです。
 その代わり、患者さんが大切にしているものは、できるだけお聞きするようにしています。家族だったり、趣味だったり、仕事だったり、そのような会話から、「幸せ」の一端を知ることができます。
 患者さんには診察室で、自分が大切にしているものや考え方、価値観を、ぜひ語っていただきたいと思います。あわせて、日常生活で起きたちょっとした出来事、道ばたで見つけた季節の変化など、最近うれしく思ったことも語ってみてください。

「がんだったのはラッキーでした」
 私が医療監修を務めた、NHKドラマ「幸運なひと」が、2023年4月に放送されましたが、このタイトルについても、いろいろな意見がありました。
 このドラマは、脚本家の吉澤智子さんが、肺がんで夫を亡くした実体験をもとに書いたものです。「幸運なひと」というタイトルをつけた理由について吉澤さんが語ったインタビュー記事が、 NHKのサイト に掲載されています。
 がんになった途端、「がんの人」と言われるようになり、「かわいそうな人」「不運な人」「不幸な人」とくくられがちですが、がんになった人の人生は決して不幸ではないし、不運でもないと吉澤さんは述べています。「幸運な普通の人」の話として、脚本を書いたということです。
 がんのドラマなのに「幸運なひと」というタイトル。ここに違和感があるという方もおられるかもしれませんが、その違和感を生んでいるイメージを壊したいというのが、制作者側の思いでした。「がんになっても、普通に、自分らしく、幸せを感じることができるし、それを目指すために医療がある」という私の思いもそこに重なりました。
 一方で、「幸運」や「幸せ」を押しつけられているように感じるという声もありました。やはり、「幸せ」は、自然に感じるものであって、他人から決めつけられるものではない、ということは忘れずにいたいと思います。
 このドラマの「患者の会」の場面には、実際の患者さんやご家族が出演し、ご自身のリアルな思いを語っています。ここだけ、ドラマではなくドキュメンタリーだったわけですが、ドラマの中でも重要な場面となりました。進行乳がんを患っている私の患者さんは、このシーンに出演して、「何か病気になるとして、それががんだったのはラッキーでした」と語っています。これが脚本に書かれていたセリフだったら、どうかと思うところですが、彼女が本当に思っていることを、自分の言葉で語っているので違和感はありませんでした。彼女は、私の診察室でも、「がんになったあとの方が幸せ」だとおっしゃっていて、いつも欠かさず、日常の新たな出来事を楽しく報告してくれます。

「健康とは、幸せかどうかで決まる」
 1998年の映画「パッチ・アダムス」で描かれた、米国の実在の医師パッチ・アダムスは、「健康」について、このように語っています。
 「健康とは、『病気がないこと』ではありません。
 健康とは、幸せかどうかで決まるものです。
 病気があっても、その人が幸せであれば、健康だと言えます。
 病気があってもなくても、誰もが幸せになれるし、健康になれるのです。」
 私は、2000年にパッチと出会い、直接この言葉を聞きました。がんがあっても、たとえそれを治せなくても、人は幸せになることができるし、人の幸せを支えることこそが、医療の本質だと理解しました。
 「がん患者にとっての『幸せ』とは何か?」の答えは、がん患者さん一人ひとりで違いますので、明確に答えられるものではありませんが、「幸せ」というのは、がんがあるかどうかとは関係なく、身近に、普通にあるものなのだと思います。そもそも、「がん患者にとっての」と考える必要はありません。「幸せ」が、がん患者となった途端に消えてしまうわけではありません。がんにまつわるイメージのために、「幸せ」が見えなくなってしまうことはあるかもしれませんが、がんのイメージから解放されれば、もともとある「幸せ」を再発見できるはずです。

 「幸せ」という言葉だと考えにくいという方は、「自分にとって大切なもの」を考えてみるとよいでしょう。
 ドラマ「幸運なひと」で、腫瘍内科医の中村医師は、肺がんを患う中学校教師の主人公に対して問いかけます。
 「松本さんにとって、今一番大切なものは何ですか?」
 それに対する回答はこうでした。
 「普通に、がんだけど、朝起きて、学校行って、部活やって、時々、ギョーザ作って、飲んで、普通に暮らしたい」
 がんがあってもなくても、誰もが、普通に、幸せを感じながら過ごせるようになることを願っています。(高野利実 がん研有明病院院長補佐)

(転載終了)※  ※  ※

 以前も書いた記憶があるが、私は人間が出来ていないのか、がん患者を20年近くやっていてもなお、がんになって幸せだったとまでは思えない。キャンサーギフトという言葉も如何にもどうかなと思うし、どうせ死ぬならがんがいい、ともあまり思わない。

 健康で無病息災ならそれが一番良いだろう。老衰で穏やかに蝋燭の火が消えるように安らかに静かに枯れるがごとく逝けたら良いのかもしれない。とはいえ、歳を重ねて色々な不具合を持ちながら長生きするのもそれはそれで辛そうだ。亡くなった父や間もなく90歳になろうかという母を見ていても強く思うようになった。

 もちろん不慮の事故死、震災死等突然の過酷な死は沢山あるだろう。けれど、自分で死に方は選べない。それほど能天気でもないし、そんなに甘いものでもないと思っている。

 けれど、がんとともに普通の生活をキープしながら、日々の幸せを感じることは出来る。それは間違いない。18年半の患者生活で実感出来る。
 再発するまでの3年間は、治ると信じて疑わず手術、放射線治療、ホルモン治療を行った。復職してからは日々の生活が酷く脅かされるほどQOLが落ちることはなかった。ごく普通に仕事をして早く元通りの生活に戻ろうと思っていた。

 ところが、いざ、本格的な再発治療である化学療法が始まると、それはエンドレスできついものになった。副作用でダウンし、何度となく緊急入院した。脱毛も4回。
 けれど2012年の秋を最後に入院していないのは、普通の生活をキープ出来ている何よりの証拠であると思っている。通院治療後、次の治療日までに何とか体調を戻して、フルタイムで働きながら定年まで勤めあげることが出来た。

 その間、もちろん辛いことも沢山あったけれど、体調が良い時は、普通に元気に旅行に行って、ヨガの講師資格も頂き、今では患者会でその成果をお伝えする機会にも恵まれている。
 もっと出世したかったとか、世界一周旅行に行きたかったとか、そんなことを妄想し始めたらきりがないけれど、ごく普通に私らしくいい人生を“幸せに”送れているのだと思う。

 高野先生に言わせれば、私はステージⅣのがんを抱えながらも健康で幸せな日々が送れているのだ、と言えるのだろう。
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2023.6.23 エンハーツ42クール目 さらに6割に減量38回目投与後翌々日のこと 家事にオンライン瞑想ヨーガクラスに断捨離・・・頑張れた

2023-06-23 22:35:55 | ヨガ

 昨夜は記事アップ後、残業で帰宅が遅かった息子に夕食を用意し、ベルガモット&ペパーミントのバスソルトを入れたお風呂に入った。Wさんの吐き気止めアロマオイルでふくらはぎから下のマッサージを済ませ、モタモタするお腹を抱えつつベッドに入る。
 夫が鼾をかいて眠れなかったら可哀想だから、とリビングで寝てくれる。申し訳ない。早く和室の荷物をスッキリさせてゆったり布団が敷けるような状況にしたい。マントラCDを静かに流して何とか眠る。

 今朝。スマホアラームが鳴る前に目が覚めて、目覚ましも消してリビングへ。は自分用に買っておいたサンドイッチが食べられなかったので、夫と息子にお願いする。目が覚めると気持ち悪くてどうにも食欲が湧かない。ウサギさん便を少々排出出来たのだが。

 夫と息子(今夜は7月異動の上司の送別会だそうだ。金曜日はほぼデフォルトで毎週飲み会である。)がタオル類を使い終わったタイミングで、洗濯機を廻し、2人を時間差で送り出してから朝ドラを視ながら朝食。
 昨朝と同じオレンジのミニドーナツを1個、グリーンケールココア。果物は佐藤錦1粒、桃とゴールデンキウイをひとかけずつ、青いアロエヨーグルトを時間をかけてお腹に入れる。
 食後は、イメンド80㎎、デカドロン4㎎。いつもの整腸剤ミヤBM錠を飲んで、胃薬タケプロンを口内で溶かす。

 お米を研いで、サラダだけ作る。洗濯が終わったところで、夕方までに乾くと良いけれど、とベランダに干し終える。イマイチのお天気だが、雨は降らないという。

 今日はSさんのオンライン瞑想ヨーガクラス、6月3回目である。着替えを済ませ、マットやPCを準備して10分ほど前にZoomに繋ぐ。毎月3回目のクラスは静かなクラスで、瞑想とゆっくりした動きがメイン。だから治療後の体調不良でもなんとか頑張れる。
 いつものメンバーに久しぶりの方、初めましての方が加わって、まずはオーム3唱。あらゆることがうまく進んでいることを知っている、と確認しつつショートメディテーション。
 
 合蹠になって背中を出来るだけ真っすぐにしたまま前に倒し、後ろに伸ばした後、仰向けになって片方ずつ腿の裏を伸ばしてから、今度は立膝になって片足を反対足にかけ、両腕を上げて体側を伸ばし左右に捩じる。腋から足までじわーっと伸びる感じがする。その後、シャヴァーサナ。
正座に戻って完全呼吸法を行った後、最後は前回に引き続きドゥルガーのキールタン最終回。長い節を最後まで唄い切ってオームを1度唱え終了。
 
 感想タイムではNさんから「捩じりで良く伸びた。瞑想の時、身体に与えた刺激を感じられた」というコメント。
 Hさんは「体側が伸びて、シャヴァーサナでは股関節あたりがポカポカした」とのこと。
 久しぶりに参加されたというTさんは、「先生の声を聴いて純粋に戻れたことに感謝する」と感極まったコメント。Sさんは「おかえりなさい」と応じられた。
 Mさんは「スッキリしたが、PC作業で首が凝っている」という訴えがある。Sさんから「耳上ラインから後ろの皮膚を上下にずらすと良い。ここが固いと他に何をしてもダメ。首のポジションを整えて筋肉を鍛えると良い」と、壁や床に寝っ転がって行うやり方を教えてくださる。

 ここで、手を上げて、先日来首を寝違えて首が辛い夫のために質問。Sさんの説明では魚のポーズに似ていた姿勢だったので、それを訊くと、頭頂を着くのではなくて後頭部全体で上半身を前に出す要領で行い、首と頭の境が熱くなる感じとのこと。
 ただし、寝違えの時この鍛え方はNG。寝違えには腋の下を温めて解すと良い。ホットタオルで腋の下を上から押して肩甲骨を上から下に下げる感じで行うアドバイスを頂いた。このやり方は胃腸の調子が悪い時にも良いとのこと。
 皆さん同様に体側だけでなく足まで伸ばせて気持ち良かったとの感想もお伝えした。

 初めましてのMさんからは「初めてのオンライン参加で、Sさんの優しい声に気持ち良く身体が伸ばせてスッキリして幸せ」とのコメントがあった。
 Tさんからも、「体側が気持ち良かった。『感じる』ことが苦手で、正解を頭で感じようとしていた。小さい頃から他と違うということを殺してきたが、今日は『あったかい』と感じた、これでいいのでしょうか」と訊かれ、SさんからはバッチリOKのサインが。

 クラス終了後30分ほど10月からの指導者養成コースのお話を聞いて退室。疑問は解消したがちょっと疲れる。
 とはいえ、このままソファと一体化してしまうとまたウトウト籠城蟄居の一日になるので、頑張ってダイニングテーブル後ろの書棚の書類を断捨離。息子の中高大時代の書類をバッサリ処分したら、2時間近くかかってしまった。やはり書類はラスボスである。全く見ないで処分することは出来ない。

 ナウゼリンを飲んでから朝と同じオレンジドーナツ1個に朝の残りの果物を摘まみ、羅漢果茶でミヤBM錠を飲む。

 気持ち悪さと疲労がまだそれほどでもないので、思い切って気になっていた映画に出かけた。封切りから既に3週間、昼前にチケットを購入した時は最後列は私だけだったのでいいなと思っていたが、実際には両隣1席ずつは空いていたものの、何人か入っていた。
 鑑賞したのは「怪物」。

 運悪く、右1席空いた隣の年配女性が上映時間2時間強のうち1時間半、スナック菓子を食べ続けていた。ボリボリという咀嚼音とペットボトルのお茶を飲みこむ音とガサガサとパッケージを触る音がひたすら響き、気が散る。
 一袋食べ終われば静かになるだろうとずっと我慢していたが、やっと食べ終わったと思ったら、なぜか空き袋をガサガサとずっと触っている。静かなシーンでどうにも気になり、あと15分が耐えられなかった。
 「すみませんが、ちょっと鬱陶しいです・・・」と言ってしまった。体調不良だと堪え性がないのが情けない。「えっ」という感じだったが、前列の人も相当煩かったのではないか。ほぼ最後のシーンになっていたので、もっと早く言えばよかったと後悔。

 映画自体はシングルマザー、教師、子どもたち等登場人物の視点により事象の映り方が全く異なるということを改めて思わされるものだった。
 イメンドやナウゼリンが効いていたので何とか2時間座っていることが出来たが、上映中ずっと我慢していたので、まっすぐ帰宅する気分にもならず、駅前カフェで蜂蜜トッピングのカフェラテを頂いてから帰宅した。

 帰宅後は、洗濯を取り入れて畳む。曇天でカラッと乾いていなかったので、浴室乾燥を2時間ほどかける。
 ミールキットで夕食の支度は夫と2人分。出張直帰の夫はライナーで帰宅する時間とほぼ同じ位だった。
 1対3で取り分けて、なんとか完食することが出来た。気持ち悪さはあるが、ナウゼリンを飲んでからお腹に入れればなんとか食べられる。

 食後、母にご機嫌伺いのMeet通話をしたら、今日は以前はコンスタントに通っていたのに、何となく面倒くさくなって止めてしまった近所の整体マッサージに行ってきたとのこと。
 腰が痛いのは、姿勢が悪いせいと言われたそうな(これは前から私も言っているが、私の言うことはなかなか聴かない。)猫背を気を付ければ良くなると言われたので意識するとのこと。一応均整術師の娘のアドバイスも素直に聞いてくれるとよいのだけれど、その時だけお茶を濁す感じなので長続きしない。これからは定期的に行くとのことだったので、改善すると良いけれど。

 治療翌々日に洗濯をして、オンラインクラスに出て、断捨離して、映画を観てお茶までして、夕食も作った。これはもう相当頑張ったと思う。
 断捨離の写真はMさんにお送りしたら、「おお、頑張りましたね、こんなに出ましたか、素晴らしい」と拍手のスタンプが送られてきた。

 今日頑張りすぎた反動で明日ダウンしないように今日も早めに眠れると良いのだけど。
 
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2023.6.22 エンハーツ42クール目 さらに6割に減量38回目投与翌日のこと 断捨離ちょっぴり籠城蟄居

2023-06-22 21:49:43 | 日記

 昨夜は結局スイカだけが夕食になった。記事をアップした後、赤いヨーグルトを飲んでからミヤBM錠とタリージェを飲んだ。
 息子は飲み会だったけれど、午前様ではなかった。ユズの入浴剤を入れたお風呂に入っているうちに帰宅したようだったが、顔を合わせたらちょっとした口論になって、Wさんの吐き気止めオイルマッサージもせずにそのままベッドへ。
 やはり気持ち悪さはやってきた。マントラCDをBGMにして寝返りを打ちつつ、日付が変わる前にはなんとか寝付けたようだった。とても疲れていたのだ。
 
 明け方お手洗いに起きて、ベッドに戻ると夫の鼾で二度寝は出来ず。夫が先に起きるのを見て見ぬふりをして、スマホアラームが鳴る迄粘ってリビングに行く。目が覚めるとお腹はグルングルンして気持ち悪い。それでも固めのお通じがあった。
 今日は息子だけ出勤だ。朝食の支度は夫にお任せ。BS朝ドラを視てから、息子を送り出す。

 今日はお天気はぱっとしない。何となく肌寒い。いつ雨が降るかわからないので洗濯はやめておく。明日からはひとまず雨マークはないようだ。
 
 昨夜は夕食がスイカと飲むヨーグルトだけだったから、空腹で胃が痛むが、気持ち悪くて食欲はない。夫には先に食事を済ませてもらう。
私はぐずぐずしながら1人で小さなオレンジドーナツを1つ何とかお腹に入れる。今朝は涼しいのでグリーンケールココアを。青汁やスムージーは端からパス。羅漢果茶も欲しくない。
 夫がピンクグレープフルーツジュースをブレンダーにかけてくれたので、小さなグラスに半分ほど時間をかけて飲んだ。果物は佐藤錦1粒、スイカ、シナノゴールドを1かけずつ。胃痛防止の青いアロエヨーグルト。薬は残しておいたジュースで飲むことに。

 食後の薬は、治療翌日の今日から4日間(安全性が確認されている最大量)の吐き気止めイメンド80㎎(昨日は化学療法室で、ジェネリックのアプレピタント錠を飲んだが、薬局では飲み慣れた先発のイメンドをリクエストしている。)。
 今日、明日の2日間はデカドロン4㎎1錠。いつもの整腸剤ミヤBM錠に胃薬タケプロン、合計4錠だ。
 薬を飲んだのは11時近くになっていた。午前中に飲まないといけないのでぎりぎりだ。

 その後、意を決して、気になっていた食器棚の上に置いてある諸々の断捨離を始めたら夫も手伝ってくれた。ずっと使っていないお盆やらランチョンマット等を処分し、台所上の棚に収められるものは収めたら、随分スッキリした。
 ここまでの30分でやめようと思ったが、つい欲が出て調味料入れの段の調理器具等も処分出来るものを処分した。特大の不燃ごみ袋が一杯になった。この間、どれだけ捨てているのか分からない。さすがに疲れて横になったらお昼を回っていた。LINEで断捨離トレーナーMさんにご報告。

 ソファに一体化するとすぐにウトウトしてしまう。夫からお昼はどうするか、と問われるが、遅い朝食を終えてから1時間ちょっとで何か入るわけがないので、「私のことは気にせずどうぞお一人で」と応ずる。夫は冷凍パスタを食べていたようだった。

 夕方前、ずっとウトウトしているようなので、ジムに行くのを薦めたら、首の痛みもあるから大丈夫かなぁと渋っていた。夫の昼用に生協で買っておいたあんかけ焼きそばが手つかずだったので、私の遅い昼にしてみたが、一口二口食べてみたものの味が分からず、諦めて夫に食べてもらった。朝の残りの果物だけお腹に入れて、ミヤBM錠を飲んだ。

 夫を送り出した後は、録画した断捨離番組を視ながらウトウト。夫は2時間ほどで帰宅したが、息子は遅くなるという連絡があった。残業か飲み会かで帰りが遅く、一緒に夕食を摂れる日がかなり少ない。
 ミールキットで夕食の支度をする前に母にMeet通話。今日もデイサービスの日だった。車のドアで挟んだ指は塗り薬を塗っても相変わらず青黒っぽく変色していたが、痛みはないようだった。腫れが退いて指輪が取れて変色がなくなれば良いのけれど。
 自分が具合が悪いので、なかなか丁寧な声掛けが出来ない。

 夫と夕食を終える。メインの鮭のオリーブオイル焼きは1対3で夫に頑張ってもらったが、ご飯もちょっぴり、マカロニサラダとなめこと豆腐の味噌汁は苦しいながらも食前のナウゼリンのおかげで、なんとかお腹に入れられた。

 ということで織り込み済みの体調不良の始まりの日。籠城蟄居で階下のポストにさえも行かずじまい。靴はおろか、サンダルを履くこともなかった。

 明日は変則で夫が出勤。2人とも出勤だから、2人を送り出したらマイペースで洗濯や断捨離が出来たらと思う。雨は降らないようなので、外の空気も吸いに行けたら、である。

 
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2023.6.21 夏至、国際ヨガデーの水曜日は採血後腫瘍内科診察、エンハーツ42クール目 さらに6割に減量38回目 無事終了

2023-06-21 21:14:28 | 治療日記

 昨夜は、部屋で水分補給をしたらあっという間に眠くなった。早々と電気を消して日付が変わる前にすんなり就寝出来た。いつもこんなふうに眠れると良いのだけれど。

 今朝は目覚ましをかけた時間まで一度も目覚めず。よく眠れたようでスッキリ。それでも身体は筋肉痛が残っているし、足も浮腫みがちだ。
 今日迄が梅雨の晴れ間だそうだ。浴槽足湯の準備をしつつ洗顔。家族LINEに「おはよう」スタンプを送る。今日は夫は変則で休務日、息子だけ出勤だが、夫が息子の朝食を用意してあげている。
 
 朝食は、昨夜コンビニで調達したサンドイッチとジュース、アロエヨーグルトに紅茶。レストランのビュッフェも良いが、部屋でニュースを見ながらのんびり頂けるも捨て難い。
 母にMeet通話。痛みは殆どないというが、さすがに挟んだ左手の3本指は青く変色して腫れているようで、指輪もしたままである。とにかく骨に異常なく本当に良かった。

 朝ドラを視て、身支度を整える。お腹は快調だ。
 最低限の物を入れた手提げを持ち、荷物を預けて身軽に出発した。七分のカットソーでジャケットはなし。念のため薄いカーディガンを持った(結局羽織ることはなかった。)。
 晴雨兼用の日傘を差して歩く。歩道に植え込まれた色とりどりの季節の花々が美しく咲いている。
 
 病院に到着すると、受付のIDカード機前の列もそれほどではなくスムーズ。採血・生理検査受付へ移動。ピンク色の採血受付番号表を取る。掲示板を見ると、20人以上が待っている。待ち時間は16分と出ていたが、ほぼその通りだった。
 
 今日の採血担当は、何度もお世話になっている看護師さん。針刺しはちょっぴり痛んだが、スムーズに5本採取し、無事終了した。お礼を言って採血室を後にし、止血をしながら向かいの腫瘍内科に移動する。
 待合い椅子はまだそれほど混んでいないが、定位置は確保できず、後ろの席に。
 毎度のようにコロナ関連問診票を頂き、息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れの「ある」の前に“たまに”を追加。
 
 本日のお供は、中島京子さんの「夢見る帝国図書館」(文春文庫)。
 文通相手のIちゃんのお薦めで購入していたが、積読になっていた。帯には「ねえ、どうして、図書館ってものが作られたのか、あんた知ってる?」図書館を愛した喜和子さんと、図書館が愛した人々の物語は、やがて切なくも愛おしい記憶へと辿り着く。」とある。
 Iちゃんは今も図書館のヘビーユーザのようだし、私も、かつては随分図書館のお世話になった。
 裏表紙には「日本初の国立図書館の物語と、戦後を生きた女性の物語が共鳴しながら紡がれる、紫式部文学賞受賞作」とあるが、語り手である私と喜和子さんのかかわり方が絶妙で、実に面白い。
 昨夜、オンライン同窓会で久しぶりに逢ったS君からメッセージがあり、そのやり取り等をしながらで、なかなか頁が進まなかったのだけれど。

 採血終了から1時間ほど経って血圧測定。103-62、脈拍が86。「中待合にどうぞ」に私の番号が出たのは腫瘍内科受付から1時間経過した頃。先生から診察室に呼び入れて頂けたのはそれから15分ほどしてからだった。病院に到着してから2時間弱。順調である。

 先生が扉を開け、「おはようございます。」と仰る。「よろしくお願いいたします。」と診察室に入り、扉を閉め、荷物を籠に入れ、体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着く。
 「さて、どんな5週間でしたか。」と問われ、「はい。5週間あると、5日間寝たきりの籠城蟄居を何となく忘れてしまうのですが、今回は子供の頃に中耳炎で痛めた左耳の耳鳴りが半月ほど続き、いよいよ耳鼻咽喉科に行こうかと思った頃、収まり、今は問題ありません。その他、時々胸骨や鎖骨の痛み、傷跡周辺(局所再発部)の痛みがありコデインやロキソニンを飲みましたが、今は大丈夫です。お腹も少し緩めですが、今回は便秘も薬でコントロールするほどでなく、下痢も薬を飲むほど酷くありませんでした。」とご報告。

 「採血は安定しています。マーカーもちょっと下がってますね。ここのところ、上がって下がって、というパターンでしたが、前回に引き続きさがっている。ということで安定ですね。データは後で出しておきます。」と仰りながら、マーカーの変動グラフを見せてくださる。
 「次回はレントゲン撮影を入れて、その時にCTの予約を入れましょう。前回が3月なので、5か月後くらいになりますから。」と仰る。

 「5週間間隔にして、落ち着いていて(エンハーツは)本当に有難いです。」と言うと、「5週間のいい事例になるかもしれない。治療間隔を伸ばすことは医療者にとっても患者さんにとっても勇気の要ることですから」と仰る。
 「よし、いい事例になろうではないか!」と頷く。
 
 薬の処方は、余分があるものについては、少な目にして頂き、それ以外は今まで通り。
 診察室での体温は6度6分。SpO2は98%で、脈拍は87。
  
 採血の結果、白血球は4,000で従来の数値だ。前回の上限ギリギリの8,500には驚かされた。好中球も1,800(前回は6,000もあった。)ほど。HやLの数値もこれまでで一番少なかった。

 お礼を言って診察室を出る。化学療法室へ移動すると7人待ち。うわぁ、これはかなり待つかと覚悟する。LINEの受付スリップは20番。
 ひとまず門前薬局にLINEで処方箋の写真を送る。処方箋が3枚。15分ほどして早々と「お薬の準備が出来ました」の連絡がある。まだ吐き気止めも飲んでいないので、薬局到着には当分時間がかかるだろうなあ、と思いつつ・・・。

 30分ほどしてSさんから、イメンドのジェネリックであるアプレピタント125㎎が届く。持参したアールグレイティーで飲む。その後10分ほどして看護助手さんから外側の一番奥から2番目の席に案内される。

 アプレピタントが効くまでは点滴が始められないので、まずは荷物を置いてからお手洗いを済ませ、椅子周辺の環境整備をして態勢を整える。夫やお友達に報告LINEをしてから読書再開である。
 薬剤師のTさんがヒアリングに見える。治療間隔が5週間に伸びた恩恵について報告する。もろもろコントロールが出来ているようなので問題ないですね、とのことで各々の副作用報告確認を終える。

 薬を飲んで40分ほどすれば点滴を開始してよいのだが、今日は50分ほど経った頃にKrさんが針刺しにみえた。殆ど痛まず、ラッキー。
 ほどなくして、初めましての看護師さんが薬を持っていらして、ご挨拶する。3月に異動されてきたとのことだが、今や月1度のタイミングだから新しい方にもなかなかすぐにお会いすることが出来ない。随分メンバーが変わってしまい、今日知っている顔は看護助手さん、Krさん、Sさんくらい。

 訊けばHさんは以前いらしたHさんと同じお名前。そのことをお話すると、以前いらしたHさんはお辞めになったそう。
 お子さんが保育園から小学校に上がるタイミングで辞める方が多いそうだ。Hさん自身は4歳の女の子のお母様で、あと1人欲しいけれど、生活が回るかどうか、なかなか厳しいとのこと。30年前と余り状況は変わっていないのだ。異次元の子育て政策などと謳われているが、果たして異次元の効果が得られるものなのだろうか。
 
 吐き気止めのアロキシ・デキサートミックス15分、ブドウ糖を全開で10分ほどで落としてから、エンハーツ30分ほど、再度ブドウ糖10分、生食で流して1時間ちょっとの予定だが、今日は取り換え等に殆どロスがなく、スタートから終了まで1時間15分ほどで終わった。途中で眠くてたまらず、本は面白いのに、ウトウトしてしまい、なかなか進まず。

 最後の血圧測定はHさん。100-63、脈拍は66。低めなので、あまりお腹を空かせすぎないように、とのこと。抜針はやはり初めましての看護師さんでお名前を聞きそびれた。衝撃がそれほどなくほっとした。やはり新しい針は優秀だ。使う側にとっても楽なのだそう。
 化学療法室滞在時間は2時間半ほど。「お疲れ様でした。気を付けて。」と言われ、お礼を言って身支度を整えて化学療法室を後にした。
 
 受付表を戻し、会計待合いに移動する。待合い椅子はまあまあ混雑していた。10分ほど待って自動支払機で11万円強をカード払い。

 外に出ると、薄曇り。それほど暑くはない。薬局へ移動すると、一組が待っていただけで、すぐに「○○さん」と呼んで頂けた。今日も顔馴染みで、このところ、LINEでの体調伺いの折に、足の筋肉を落とさないためのシックスパッド談義をしているIさん。
 1つ1つ薬を確認。電子マネーで9,000円弱の支払いを済ませる。今日の病院と薬局での滞在時間は5時間強。

 ホテルに戻り、荷物を受け取る。
 珍しく空腹だし、駅ビルに新しくオープンしていたタイレストランへ。人気らしく満席。少し待ったが、1人だと言ったら前の3人にお断りの上、先に通して頂けた。
 迷った末、人気No.2のパッタイに。ランチにはトムヤン風のスープと生春巻きがついて、結構ボリューミーだったが、ゆっくり時間をかけて完食出来た。夜からはまたろくに食べられなくなるので、いわゆる最後の午餐だ。
 瞑想ヨーガの師匠であるSさんのスタジオ近くにあって、よく通ったタイレストランに負けないほど美味。お店もタイの可愛らしいオブジェや吊り飾り等が沢山で、あぁ、またタイに行きたいなぁと旅心がくすぐられる。

 快速電車に乗って文庫の残りを読み始めたが、車内でも眠くなり、諦めて本を閉じた。
 私鉄に乗り換え、無事最寄り駅まで戻ってきた。荷物が重いが、明日からなかなか歩けなくなるし、とタクシーに頼らず自力で自宅まで歩いた。万歩計は7,000歩弱。
 
 帰宅後はいつも大量の生協のお届け物を取り入れて、収納するまでが一仕事なのだが、今日はラッキーにも夫が在宅だったので、お任せ。すぐに家に入れて薬の整理等にとりかかれて、とても楽だった。だんだんズボラになっている。
 
 眠いし、早くも気持ち悪くなり始めている。喉は乾くが、あまり食欲はない。夫がスイカを切ってくれて有難く頂く。そんなに水分が摂れているわけでもないのに、何やらお手洗いが近い。

 母にMeet通話でご機嫌伺いを。今日は月曜日に休んだため、振替でデイサービスに行ったという。挟んだ指の件で夫に迷惑をかけてしまって謝りたいと言っていたので(夫は夫で不注意で申し訳なかった、と)少し2人でお話してもらった。
 夫には、生協から届いたなめこおろしそばと明太子おにぎり等を夕食にしてもらった。息子は中途採用同期と飲み会だそうだ。お忙しいことである。
 
 今日は夏至だ。なるほど7時を過ぎても明るかった。
 そして国連が決めた国際ヨガデーでもあり、全国各地で様々なイベントが行われている。2014年、当時インドの首相だったモディ氏が提唱した。2014年といえば初めてSさんのヨガリトリートに参加した年でもある。この頃に瞑想ヨーガに出会ったのだなぁとしみじみ。残念ながら治療日の今日は、いつも通っているスタジオにもイベントにも行けなかったけれど・・・。

 今回もこれから10日間ほど辛い時期が続くだろうが、元気な期間が1週間伸びているのを有難く活用したい。たとえ思うようには動けなくとも、気分転換程度に朝の5分断捨離が出来たらいいなぁと思っている。
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