昨夜も息子の帰りは遅く、入浴後ベッドに入ったのは日付が変わってからになった。
そして今朝、いつもの時間に目覚ましが鳴る小一時間前、お手洗いで目が覚める。そのまま眠れず、目覚ましを消してリビングへ。
いいお天気で、今日も都内は真夏日の予報だ。今日から1泊、年末の息子コロナ騒ぎで延期になった母を連れての旅のリベンジ、息子の運転で出発である。
朝食を済ませ、パッキングとはいえないほどゆる~く袋に入れただけの荷物を載せて、実家まで母のお迎えに移動する。
スムーズに実家に到着した後は、先日来の旅行のお土産や購入したパジャマを渡して、さあ出発だ。GWに海老名に遊びに行った時と同じ道を通り、途中で高速に乗って静岡方面へ。
途中PAでお手洗い休憩を取り、車を進めた後は、函南の立派な道の駅で途中下車。宮古島を訪れた時に機内から真っ白に雪を被って見えた富士山は、もう一筋か二筋の雪の跡が残っている程度。僅か3週間ちょっとで、すっかり山々は夏に近づいている。
売店やレストラン、ステージ等なかなか充実している。さすがにまだ昼食には早いので、道の駅を後にして、今回の目的地、碧テラスへ移動。ところが、下調べが悪かった。ロープウエイがメンテナンス中で、山上まで上がることが出来ないという看板が出ている。
どうりで車が皆引き返してくるわけである。では、山道を登って行ってみるか、と息子が挑戦するも、かなりの細い山道で退散。
では、とかつて息子が保育園児だった頃、父の運転で訪れたことのある「虹の郷」に。特にどうしても行きたいところがあるわけでなし、懐かしさもあり、お任せである。
駐車場からは富士山が良く見えるが、出発してきた時の青空は消え、曇天になっている。なんとなく蒸し暑いが、カンカン照りよりは良かったと思うことにして、日傘はそのまま差して歩く。
入場券を購入して、ゲートをくぐると、そこは古き良きイギリスの街並み。スタッフの方に4人一緒の記念写真を撮って頂いた後は、15インチゲージのロムニー鉄道に乗って、イギリス村からカナダ村まで移動する。
伊豆市と、森と湖の国カナダのネルソン市は姉妹都市。湖のほとりの美しい街はネルソン市をモデルに作られているという。鉄道がクーテニー鉄橋を渡るシーンは絶好のシャッターチャンスで、散歩道を歩く人たちが手を振ってくれる。
7分ほどの本格的な鉄道のショートトリップから降り、可愛らしい洋館レストランでランチタイム。パスタやピラフ、グラタン等それぞれ好きなものを注文して、ちょっとずつ味見。珈琲も飲んでお腹一杯になった後は、お腹ごなしに、万華鏡の博物館を覗いたり、美しいフェアリー・ガーデンで満開のバラや温室のブーゲンビレア等を愛でたり。
この先は坂道なので、母と私はベンチで座ってお喋りをしながら、アジサイの群生地を抜けてブランコに乗りに行った息子と夫の帰りを待つ。
帰りは英国ムードたっぷりな真っ赤なクラシックバスに乗って、再びエントランス付近まで戻ってきた。私達4人の貸し切りで、ドライバーさんがハンカチの木やプラタナス、ポプラ並木等の紹介をしながら特別にガイドをしてくださった。
チビの頃も大ハッスルで楽しんだレールウエイミュージアムもほぼ貸し切りで見学。行き交う人は少なめで、緑あふれた広い園内をマスクなしで楽しめて有難かった。
ショップを冷やかしながら、再び駐車場まで戻る。ホテルに入る前、ここから近いからせっかくだし、修善寺温泉まで行ってみようという温泉フリークの息子の発案で進路は温泉街へ。
駐車場を出ると、河原湯(足湯)がある。かつては共同浴場として親しまれていたが、10年ほど前に足湯としてオープンしたという。トライしたかったが、タオルも持っていないし、と諦めて、竹林の小径を目指す。
母が頑張ってえっちらおっちら歩いてついてくる。桂川に沿う遊歩道の左右に見事な竹が立ち並ぶ。中央には竹製の円形ベンチがあり、仰向けになって空を仰ぐと空の青と竹の緑の景色が素晴らしいという。
残念ながら今日は、空はいまいち灰色だ。そこから朱色の橋、楓橋を渡る。初夏の新緑が映えるフォトスポットである。さすがに草臥れてきて「お茶しよ~よ、あんみつ系がいいな。」と夫が言う。
川端康成が「伊豆の踊子」を執筆したという由緒正しい旅館に近いカフェに入って小休止。3人は黒ゴマぜんざいや湯葉ぜんざい等の等和風のデザートをチョイス、私だけ塩麴のキャラメリゼケーキとミルクティのセットにした。甘いものを頂いたら俄然元気になった。
駐車場に向かってぶらぶら歩いていると、修善寺が見えてくる。目の前に立ちはだかる石段にちょっとたじろぎながら、足元が悪いので、母には階段下で待っていてもらうことにして3人でささっとお参りを済ませる。
桂川で病父を洗う少年に心打たれた弘法大師様が独鈷(仏具)で川の岩を打ち、霊湯を湧き出させ、温泉療法を伝授したと伝わる修善寺温泉のシンボル、伊豆最古の温泉、とっこの湯の見学も済ませる。
日枝神社の階段もかなりハードそうだったので、登らずに道なりにご挨拶だけ済ませる。最後にもうひと踏ん張り坂道を上ってハリストス正教会の外観だけ拝見して、アジサイを愛でつつ駐車場まで戻った。
さすがに草臥れて、車の中で息子には申し訳なくもウトウトしてしまう。
一時間もかからず無事ホテルに到着し、エントランスで荷物を降ろすと、ポーターさんがピックアップしてくださる。母と私が先に降り、チェックインを済ませる。2人は少し離れた駐車場へ向かって、4人揃ったところで11階の隣同士の部屋に案内された。
部屋で荷ほどきだけ済ませ、まずは汗を流すために最上階の温泉へ。2,3人の先着がいたが、露天風呂も内風呂もほぼ貸し切り。ずっと車に乗って縮こまった手足を伸ばしてなんという極楽。サウナにも少し入ってすっかり満喫した。夫と息子の方が一足先に出ていて、待っていてくれた。外には真正面に富士山が見える筈だが、雲隠れである。
30分ほどしていつものお寿司屋さんに夕食に繰り出す約束をして、さて、時間に訪ねたが2人ともお夕寝中だったらしく、まだ支度が出来ていないという。少し待っていると、今度はロビーにいるとのこと。慌てて母とエレベーターで降りて合流し、お寿司屋さんを目指す。
4人席に案内され、夫と息子はビールやホッピーで乾杯。セットだけでは飽き足らず、アラカルトであれこれ足す息子はご機嫌で赤い顔をしている。
皆で満足してホテルに戻り、部屋で珈琲タイム。この後は、もう一度ゆっくり入浴をして1万歩近く歩いた今日の旅の疲れを癒したい。
明日は、息子が買い物を楽しみにしているアウトレットに寄って帰京の予定である。