「ちょっと駅前でダークする?」、最近の立ち飲みの隠語である。飲んでる姿が狭いテーブルを斜めに席を分け合っている姿がダークダックスに似ているからである。
立ち飲みを馬鹿にしちゃあいけないよ。早い。安い。5分でも飲める。絶対的に気楽だ。その上、店に気を遣うことはない。ただし、足・腰丈夫が絶対条件。最近の立ち飲みには肘がかけやすくスタンディングバーのようにテーブルを高くする工夫が出てきたのはいいことだ。
ダークマン(最近はダークウーマンも多い)には3とおりある。晩酌代わりにちょっと引っかけていくタイプ。このタイプ、家では1合までと決められているのでシラフのふりして晩酌をする連中が多い。次の店への時間つなぎと助走に使うタイプは、次の店での支払いが軽減できるメリットがある。一番多いのは、できるだけ安く、多く飲みたいタイプ。このタイプは一人できて長っ尻で常連どおしで意気投合している。台東、荒川、葛飾、墨田あたりの下町に多い。
さて、秋葉原周辺の立ち飲み処、ガード下に古くからある「おかめ」の他に、「はんな」、「きらく」、「万世酒場」など最近数店が開業した。いずれも繁盛しているようだ。アキバでは仕事帰りの連れだったリーマンが主流。労働者スタイルは皆無に近い。話の内容も仕事関連だ。たまにはネットで探したような若いのがいる。新橋より利用世代はずっと若いのが特徴。
そんな中で秋葉原駅前の「百飲」はわかり易い立地もさることながら、酒、肴の値段がすべて百円でどうやって経営しているか驚く。品も分量、質共へたな居酒屋よりましとくりゃあ、人気が出ないはずがない。いつも混んでいるが、お一人様だったら如何様にもダークになれる。
連れと間合いをあけて話し込んでる連中に「ちょっと兄(あん)さん、ごめんよ。そこんとこ、ちょっぴり詰めておくれな。」と言ゃあ下町はOK。それでも突っ張って空けない連中は立ち飲み屋で飲む資格はないね。