「四万温泉」、群馬の草津の手前の中之条町から奥地へ30分くらいのところである。古来、草津よりも早くその温泉が見出され、政治家、文豪の常宿となり日本で始めての国民保養地にも指定された。戦後、軽井沢や草津温泉に避暑地としての地位を奪われてて以来、その名もかすんではいるが、本当の温泉好きの連中の中では、草津以上に国内の名湯としての位置は高い。
四万への仕事で寄った際に、時間があれば共数少ない同浴場に立ち寄った際に、その泉質の素晴らしさに魅了される。ゆっくりと味わいたいと宿泊を決意して、今回はゴールデンウィークの最中に四万への二泊の旅を決断する。正月、お盆、ゴーデンウィークに旅行することは、交通混雑、通常時期の二倍の宿泊費などサラリーマンにとっては清水の舞台ではあるが、ネットで空いていた「四万グランドホテル」を予約する。
四万温泉に到着したがまだチト早いので上流の四万ダムへ足を伸ばす。風光明媚、山奥の重力式ダムの綺麗なフォルムと水面も青さが鮮烈で美しい。
到着後すぐに、ホテルの数あるホテルの浴場に入る。適温な上、泉質はあくまでも柔らかく、抜群の湯上がり感で人気の秘訣は直ぐに実感する。ホテルの浴場は露天や大浴場など趣向も凝らしはいるが、展望風呂はハローキテイの湯、オジサン独りでは寂しいものがある。下の露天風呂の眺めは良くないが泉質の良さは十分に満喫できる。
翌日、共同経営の姉妹旅館の「たむら」の入浴券を購入して、浴衣姿で急坂を田村に向う。途中にある「積善館」は、現存する日本最古の重要文化財の木造湯宿建築。宿の玄関前の赤い橋とあいまって、「千と千尋」の世界へと誘う。3週間前にも仲間との旅行ついでに「積善館」の重要文化財の風呂に浸かってきたところでもある。
「たむら」は四万温泉の老舗旅館一つで格式も高い。多くの特徴ある風呂が売りで、旅館内での風呂めぐりでも十分に堪能できる。ほぼ全ての風呂を早足で走破する。
次は、四万の共同浴場の制覇を目指す。「御夢想の湯」は朝いちに、「上の湯」、「河原の湯」は3時過ぎから4時までの間に入る。何れも独り風呂で堪能する。内湯と比較すると若干熱いが四万の独り占めは贅沢すぎる。川原の「山口の湯」はいまは足湯である。勿論、疲れた足にもご馳走の湯をさしあげる。
温泉の近場に「四万の甌穴」がある。四万川の水流が岩を長い間に抉り取り、川底に大きな穴が開いている天然記念物である。水の色が青く谷底のヒンヤリとしてた空気がすがすがしい。駐車場のオープンカフェでコーヒーと通り抜ける風を満喫する。
ホテルはバイキングでちと落ち着かないが、湯三昧の四万温泉に満足のたびであった。
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