散日拾遺

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罔談彼短 靡恃己長 ~ 千字文 023/『死生学』教科書完成

2014-02-19 08:42:30 | 日記
2014年2月19日(水)

◯ 罔談彼短 靡恃己長

 これは読みの難しいことだ、「彼がとがをを語ることなかれ、己のまされることを恃むなかれ」とある。罔と靡は、いずれも「なかれ」と訓読される否定命令の助動詞と言うことか。
 この戒めは普遍的なもので、聖書の例の句など思い出される。

 兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。
 偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。
 (マタイ7:3~5)

[李注]

顔淵「世に住んで、何を患いとするか?」
子張「一、富貴なものと貧しい者が一緒に生活して、前者が後者に怨みを抱かせること。二、互いに言い争い、人に勝とうとすること。三、他人の悪事を見てはそれを責めること。」

 社会的闘争の三つの原因か。貧富格差と競争心は分かりやすい。他人の悪事を問責する傾向は、少し考えてみる必要がありそうだ。むろん、自分自身の内に悪があること、その後ろめたさと関連している。高度に心理学的な現象である。

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 『死生学』の教科書が完成した。これは素直に嬉しい。