私が、幽霊を信じるのは、現代の世界に幽霊がいなくなってしまったからです。何が、人生に希望を抱かせてくれていたのでしょうか。それは幽霊です。その一部は神々と呼ばれ、又悪魔、天使とも呼ばれました。彼等こそが人に勇気と目的を与えていたのです。自然への畏敬を教え、それがやがて愛に変わった。彼等こそが恐怖と美を作り上げたのです。
もはや、幽霊も天使も神々もいません。全て死に絶えてしまいました。電気と蒸気と数学の世界は、虚しく空っぽです。 しかし私は、どんな日本人より、本当の日本を愛します。(小泉八雲、1894年日清戦争が始まった頃の友人への手紙より)
ミズヒキ